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コリント前書
🔝
〘332㌻〙
第1章
1
神
かみ
の
御意󠄃
みこゝろ
により
召
め
されてイエス・キリストの
使徒
しと
となれるパウロ
及
およ
び
兄弟
きゃうだい
ソステネ、
2
書
ふみ
をコリントに
在
あ
る
神
かみ
の
敎會
けうくわい
、
即
すなは
ちいづれの
處
ところ
にありても、
我
われ
らの
主
しゅ
、ただに
我等
われら
のみならず
彼
かれ
らの
主
しゅ
なるイエス・キリストの
名
な
を
呼
よ
び
求
もと
むる
者
もの
とともに
聖󠄄徒
せいと
となるべき
召
めし
を
蒙
かうむ
り、キリスト・イエスに
在
あ
りて
潔󠄄
きよ
められたる
汝
なんぢ
らに
贈
おく
る。
3
願
ねがは
くは
我
われ
らの
父󠄃
ちち
なる
神
かみ
および
主
しゅ
イエス・キリストより
賜
たま
ふ
恩惠
めぐみ
と
平󠄃安
へいあん
と
汝
なんぢ
らに
在
あ
らんことを。
4
われ
汝
なんぢ
らがキリスト・イエスに
在
あ
りて
神
かみ
より
賜
たま
はりし
恩惠
めぐみ
に
就
つ
きて
常
つね
に
神
かみ
に
感謝
かんしゃ
す。
5
汝
なんぢ
らはキリストに
在
あ
りて、
諸般
もろもろ
のこと
即
すなは
ち
凡
すべ
ての
言
ことば
と
凡
すべ
ての
悟
さとり
とに
富
と
みたればなり。
6
これキリストの
證
あかし
、なんぢらの
中
うち
に
堅
かた
うせられたるに
因
よ
る。
7
斯
か
く
汝
なんぢ
らは
凡
すべ
ての
賜物
たまもの
に
缺
か
くる
所󠄃
ところ
なくして
我
われ
らの
主
しゅ
イエス・キリストの
現
あらは
れ
給
たま
ふを
待
ま
てり。
8
彼
かれ
は
汝
なんぢ
らを
終󠄃
をはり
まで
堅
かた
うして
我
われ
らの
主
しゅ
イエス・キリストの
日
ひ
に
責
せ
むべき
所󠄃
ところ
なからしめ
給
たま
はん。
9
汝
なんぢ
らを
召
め
して
其
そ
の
子
こ
われらの
主
しゅ
イエス・キリストの
交際
まじはり
に
入
い
らしめ
給
たま
ふ
神
かみ
は
眞實
まこと
なる
哉
かな
。
10
兄弟
きゃうだい
よ、
我
われ
らの
主
しゅ
イエス・キリストの
名
な
に
賴
よ
りて
汝
なんぢ
らに
勸
すゝ
む、おのおの
語
かた
るところを
同
おな
じうし、
分󠄃爭
ぶんさう
する
事
こと
なく
同
おな
じ
心
こゝろ
、おなじ
念
おもひ
にて
全󠄃
まった
く
一
ひと
つになるべし。
11
わが
兄弟
きゃうだい
よ、クロエの
家
いへ
の
者
もの
、なんぢらの
中
うち
に
紛爭
あらそひ
あることを
我
われ
に
知
し
らせたり。
332㌻
12
即
すなは
ち
汝
なんぢ
等
ら
おのおの『
我
われ
はパウロに
屬
ぞく
す』『われはアポロに』『
我
われ
はケパに』『
我
われ
はキリストに』と
言
い
ふこれなり。
13
キリストは
分󠄃
わか
たるる
者
もの
ならんや、パウロは
汝
なんぢ
らの
爲
ため
に
十字架
じふじか
につけられしや、
汝
なんぢ
らパウロの
名
な
に
賴
よ
りてバプテスマを
受
う
けしや。
14
我
われ
は
感謝
かんしゃ
す、クリスポとガイオとの
他
ほか
には、
我
われ
なんぢらの
中
うち
の
一人
ひとり
にもバプテスマを
施
ほどこ
さざりしを。
15
是
これ
わが
名
な
に
賴
よ
りて
汝
なんぢ
らがバプテスマを
受
う
けしと
人
ひと
の
言
い
ふ
事
こと
なからん
爲
ため
なり。
16
またステパノの
家族
かぞく
にバプテスマを
施
ほどこ
しし
事
こと
あり、
此
こ
の
他
ほか
には
我
われ
バプテスマを
施
ほどこ
しし
事
こと
ありや
知
し
らざるなり。
17
そはキリストの
我
われ
を
遣󠄃
つかは
し
給
たま
へるはバプテスマを
施
ほどこ
させん
爲
ため
にあらず、
福音󠄃
ふくいん
を
宣傳
のべつた
へしめんとてなり。
而
しか
して
言
ことば
の
智慧󠄄
ちゑ
をもつてせず、
是
これ
キリストの
十字架
じふじか
の
虛
むな
しくならざらん
爲
ため
なり。
18
それ
十字架
じふじか
の
言
ことば
は
亡
ほろ
ぶる
者
もの
には
愚
おろか
なれど、
救
すく
はるる
我
われ
らには
神
かみ
の
能力
ちから
なり。
〘241㌻〙
19
錄
しる
して 『われ
智者
ちしゃ
の
智慧󠄄
ちゑ
をほろぼし、
慧󠄄
さと
き
者
もの
の
慧󠄄
さとき
を
空󠄃
むな
しうせん』とあればなり。
20
智者
ちしゃ
いづこにか
在
あ
る、
學者
がくしゃ
いづこにか
在
あ
る、この
世
よ
の
論者
ろんしゃ
いづこにか
在
あ
る、
神
かみ
は
世
よ
の
智慧󠄄
ちゑ
をして
愚
おろか
ならしめ
給
たま
へるにあらずや。
21
世
よ
は
己
おのれ
の
智慧󠄄
ちゑ
をもて
神
かみ
を
知
し
らず(これ
神
かみ
の
智慧󠄄
ちゑ
に
適󠄄
かな
へるなり)この
故
ゆゑ
に
神
かみ
は
宣敎
せんけう
の
愚
おろか
をもて、
信
しん
ずる
者
もの
を
救
すく
ふを
善
よ
しとし
給
たま
へり。
22
ユダヤ
人
びと
は
徴
しるし
を
請󠄃
こ
ひ、ギリシヤ
人
びと
は
智慧󠄄
ちゑ
を
求
もと
む。
23
されど
我
われ
らは
十字架
じふじか
に
釘
つ
けられ
給
たま
ひしキリストを
宣傳
のべつた
ふ。これはユダヤ
人
びと
に
躓物
つまづき
となり、
異邦人
いはうじん
に
愚
おろか
となれど、
24
召
め
されたる
者
もの
にはユダヤ
人
びと
にもギリシヤ
人
びと
にも
神
かみ
の
能力
ちから
、また
神
かみ
の
智慧󠄄
ちゑ
たるキリストなり。
25
神
かみ
の
愚
おろか
は
人
ひと
よりも
智
かしこ
く、
神
かみ
の
弱󠄃
よわき
は
人
ひと
よりも
强
つよ
ければなり。
333㌻
26
兄弟
きゃうだい
よ、
召
めし
を
蒙
かうむ
れる
汝
なんぢ
らを
見
み
よ、
肉
にく
によれる
智
かしこ
き
者
もの
おほからず、
能力
ちから
ある
者
もの
おほからず、
貴
たふと
きもの
多
おほ
からず。
27
されど
神
かみ
は
智
かしこ
き
者
もの
を
辱
はづか
しめんとて
世
よ
の
愚
おろか
なる
者
もの
を
選󠄄
えら
び、
强
つよ
き
者
もの
を
辱
はづか
しめんとて
弱󠄃
よわ
き
者
もの
を
選󠄄
えら
び、
28
有
あ
る
者
もの
を
亡
ほろぼ
さんとて
世
よ
の
卑
いや
しきもの、
輕
かろ
んぜらるる
者
もの
、すなはち
無
な
きが
如
ごと
き
者
もの
を
選󠄄
えら
び
給
たま
へり。
29
これ
神
かみ
の
前󠄃
まへ
に
人
ひと
の
誇
ほこ
る
事
こと
なからん
爲
ため
なり。
30
汝
なんぢ
らは
神
かみ
に
賴
よ
りてキリスト・イエスに
在
あ
り、
彼
かれ
は
神
かみ
に
立
た
てられて
我
われ
らの
智慧󠄄
ちゑ
と
義
ぎ
と
聖󠄄
せい
と
救贖
あがなひ
とになり
給
たま
へり。
31
これ『
誇
ほこ
る
者
もの
は
主
しゅ
に
賴
よ
りて
誇
ほこ
るべし』と
錄
しる
されたる
如
ごと
くならん
爲
ため
なり。
第2章
1
兄弟
きゃうだい
よ、われ
曩
さき
に
汝
なんぢ
らに
到
いた
りしとき、
神
かみ
の
證
あかし
を
傳
つた
ふるに
言
ことば
と
智慧󠄄
ちゑ
との
優
すぐ
れたるを
用
もち
ひざりき。
2
イエス・キリスト
及
およ
びその
十字架
じふじか
に
釘
つ
けられ
給
たま
ひし
事
こと
のほかは、
汝
なんぢ
らの
中
うち
にありて
何
なに
をも
知
し
るまじと
心
こゝろ
を
定
さだ
めたればなり。
3
我
われ
なんぢらと
偕
とも
に
居
を
りし
時
とき
に
弱󠄃
よわ
く、かつ
懼
おそ
れ、
甚
いた
く
戰
おのゝ
けり。
4
わが
談話
だんわ
も、
宣敎
せんけう
も、
智慧󠄄
ちゑ
の
美
うるは
しき
言
ことば
によらずして、
御靈
みたま
と
能力
ちから
との
證明
しょうめい
によりたり。
5
これ
汝
なんぢ
らの
信仰
しんかう
の、
人
ひと
の
智慧󠄄
ちゑ
によらず、
神
かみ
の
能力
ちから
に
賴
よ
らん
爲
ため
なり。
6
然
さ
れど
我
われ
らは
成人
せいじん
したる
者
もの
の
中
うち
にて
智慧󠄄
ちゑ
を
語
かた
る。これ
此
こ
の
世
よ
の
智慧󠄄
ちゑ
にあらず、
又󠄂
また
この
世
よ
の
廢
すた
らんとする
司
つかさ
たちの
智慧󠄄
ちゑ
にあらず、
7
我
われ
らは
奧義
おくぎ
を
解
と
きて
神
かみ
の
智慧󠄄
ちゑ
を
語
かた
る、
即
すなは
ち
隱
かく
れたる
智慧󠄄
ちゑ
にして
神
かみ
われらの
光榮
くわうえい
のために
世
よ
の
創
はじめ
の
先
さき
より
預
あらか
じめ
定
さだ
め
給
たま
ひしものなり。
8
この
世
よ
の
司
つかさ
には
之
これ
を
知
し
る
者
もの
なかりき、もし
知
し
らば
榮光
えいくわう
の
主
しゅ
を
十字架
じふじか
に
釘
つ
けざりしならん。
9
錄
しる
して 『
神
かみ
のおのれを
愛
あい
する
者
もの
のために
備
そな
へ
給
たま
ひし
事
こと
は、
眼
め
いまだ
見
み
ず、
耳
みゝ
いまだ
聞
き
かず、
人
ひと
の
心
こゝろ
いまだ
思
おも
はざりし
所󠄃
ところ
なり』と
有
あ
るが
如
ごと
し。
〘242㌻〙
334㌻
10
然
さ
れど
我
われ
らには
神
かみ
これを
御靈
みたま
によりて
顯
あらは
し
給
たま
へり。
御靈
みたま
はすべての
事
こと
を
究
きは
め、
神
かみ
の
深
ふか
き
所󠄃
ところ
まで
究
きは
むればなり。
11
それ
人
ひと
のことは
己
おの
が
中
うち
にある
靈
れい
のほかに
誰
たれ
か
知
し
る
人
ひと
あらん、
斯
かく
のごとく
神
かみ
のことは
神
かみ
の
御靈
みたま
のほかに
知
し
る
者
もの
なし。
12
我
われ
らの
受
う
けし
靈
れい
は
世
よ
の
靈
れい
にあらず、
神
かみ
より
出
い
づる
靈
れい
なり、
是
これ
われらに
神
かみ
の
賜
たま
ひしものを
知
し
らんためなり。
13
又󠄂
また
われら
之
これ
を
語
かた
るに
人
ひと
の
智慧󠄄
ちゑ
の
敎
をし
ふる
言
ことば
を
用
もち
ひず、
御靈
みたま
の
敎
をし
ふる
言
ことば
を
用
もち
ふ、
即
すなは
ち
靈
れい
の
事
こと
に
靈
れい
の
言
ことば
を
當
あ
つるなり。
14
性來
うまれつき
のままなる
人
ひと
は
神
かみ
の
御靈
みたま
のことを
受
う
けず、
彼
かれ
には
愚
おろか
なる
者
もの
と
見
み
ゆればなり。また
之
これ
を
悟
さと
ること
能
あた
はず、
御靈
みたま
のことは
靈
れい
によりて
辨
わきま
ふべき
者
もの
なるが
故
ゆゑ
なり。
15
されど
靈
れい
に
屬
ぞく
する
者
もの
は、すべての
事
こと
をわきまふ、
而
しか
して
己
おのれ
は
人
ひと
に
辨
わきま
へらるる
事
こと
なし。
16
誰
たれ
か
主
しゅ
の
心
こゝろ
を
知
し
りて
主
しゅ
を
敎
をし
ふる
者
もの
あらんや。
然
さ
れど
我
われ
らはキリストの
心
こゝろ
を
有
も
てり。
第3章
1
兄弟
きゃうだい
よ、われ
靈
れい
に
屬
ぞく
する
者
もの
に
對
たい
する
如
ごと
く
汝
なんぢ
らに
語
かた
ること
能
あた
はず、
反
かへ
つて
肉
にく
に
屬
ぞく
するもの、
即
すなは
ちキリストに
在
あ
る
幼兒
をさなご
に
對
たい
する
如
ごと
く
語
かた
れり。
2
われ
汝
なんぢ
らに
乳󠄃
ちゝ
のみ
飮
の
ませて
堅
かた
き
食󠄃物
しょくもつ
を
與
あた
へざりき。
汝
なんぢ
等
ら
そのとき
食󠄃
くら
ふこと
能
あた
はざりし
故
ゆゑ
なり。
3
今
いま
もなほ
食󠄃
くら
ふこと
能
あた
はず、
今
いま
もなほ
肉
にく
に
屬
ぞく
する
者
もの
なればなり。
汝
なんぢ
らの
中
うち
に
嫉妬
ねたみ
と
紛爭
あらそひ
とあるは、これ
肉
にく
に
屬
ぞく
する
者
もの
にして
世
よ
の
人
ひと
の
如
ごと
くに
步
あゆ
むならずや。
4
或
ある
者
もの
は『われパウロに
屬
ぞく
す』といひ、
或
ある
者
もの
は『われアポロに
屬
ぞく
す』と
言
い
ふ、これ
世
よ
の
人
ひと
の
如
ごと
くなるにあらずや。
5
アポロは
何
なに
者
もの
ぞ、パウロは
何
なに
者
もの
ぞ、
彼
かれ
等
ら
はおのおの
主
しゅ
の
賜
たま
ふところに
隨
したが
ひ、
汝
なんぢ
らをして
信
しん
ぜしめたる
役者
えきしゃ
に
過󠄃
す
ぎざるなり。
6
我
われ
は
植
う
ゑ、アポロは
水
みづ
灌
そゝ
げり、されど
育
そだ
てたるは
神
かみ
なり。
335㌻
7
されば
種
う
うる
者
もの
も、
水
みづ
灌
そゝ
ぐ
者
もの
も
數
かぞ
ふるに
足
た
らず、ただ
尊󠄅
たふと
きは
育
そだ
てたまふ
神
かみ
なり。
8
種
う
うる
者
もの
も、
水
みづ
灌
そゝ
ぐ
者
もの
も
歸
き
する
所󠄃
ところ
は
一
ひと
つなれど、
各自
おのおの
おのが
勞
らう
に
隨
したが
ひて
其
そ
の
値
あたひ
を
得
う
べし。
9
我
われ
らは
神
かみ
と
共
とも
に
働
はたら
く
者
もの
なり。
汝
なんぢ
らは
神
かみ
の
畠
はたけ
なり、また
神
かみ
の
建築物
たてもの
なり。
10
我
われ
は
神
かみ
の
賜
たま
ひたる
恩惠
めぐみ
に
隨
したが
ひて
熟鍊
じゅくれん
なる
建築師
けんちくし
のごとく
基
もとゐ
を
据
す
ゑたり、
而
しか
して
他
ほか
の
人
ひと
その
上
うへ
に
建
た
つるなり。
然
さ
れど
如何
いか
にして
建
た
つべきか、おのおの
心
こゝろ
して
爲
な
すべし、
〘243㌻〙
11
旣
すで
に
置
お
きたる
基
もとゐ
のほかは
誰
たれ
も
据
す
うること
能
あた
はず、この
基
もとゐ
は
即
すなは
ちイエス・キリストなり。
12
人
ひと
もし
此
こ
の
基
もとゐ
の
上
うへ
に
金
きん
・
銀
ぎん
・
寳石
はうせき
・
木
き
・
草
くさ
・
藁
わら
をもつて
建
た
てなば、
13
各人
おのおの
の
工
わざ
は
顯
あらは
るべし。かの
日
ひ
これを
明
あきら
かにせん、かの
日
ひ
は
火
ひ
をもつて
顯
あらは
れ、その
火
ひ
おのおのの
工
わざ
の
如何
いかん
を
驗
ため
すべければなり。
14
その
建
た
つる
所󠄃
ところ
の
工
わざ
、もし
保
たも
たば
値
あたひ
を
得
え
、
15
もし
其
そ
の
工
わざ
燒
や
けなば
損
そん
すべし。
然
さ
れど
己
おのれ
は
火
ひ
より
脫󠄁
のが
れ
出
い
づる
如
ごと
くして
救
すく
はれん。
16
汝
なんぢ
ら
知
し
らずや、
汝
なんぢ
らは
神
かみ
の
宮
みや
にして
神
かみ
の
御靈
みたま
なんぢらの
中
うち
に
住󠄃
す
み
給
たま
ふを。
17
人
ひと
もし
神
かみ
の
宮
みや
を
毀
こぼ
たば
神
かみ
かれを
毀
こぼ
ち
給
たま
はん。それ
神
かみ
の
宮
みや
は
聖󠄄
せい
なり、
汝
なんぢ
らも
亦
また
かくの
如
ごと
し。
18
誰
たれ
も
自
みづか
ら
欺
あざむ
くな。
汝
なんぢ
等
ら
のうち
此
こ
の
世
よ
にて
自
みづか
ら
智
かしこ
しと
思
おも
ふ
者
もの
は、
智
かしこ
くならんために
愚
おろか
なる
者
もの
となれ。
19
そは
此
こ
の
世
よ
の
智慧󠄄
ちゑ
は
神
かみ
の
前󠄃
まへ
に
愚
おろか
なればなり。
錄
しる
して『
彼
かれ
は
智者
ちしゃ
をその
惡巧
たくみ
によりて
捕
とら
へ
給
たま
ふ』
20
また『
主
しゅ
は
智者
ちしゃ
の
念
おもひ
の
虛
むな
しきを
知
し
り
給
たま
ふ』とあるが
如
ごと
し。
21
さらば
誰
たれ
も
人
ひと
を
誇
ほこり
とすな、
萬
よろづ
の
物
もの
は
汝
なんぢ
らの
有
もの
なればなり。
22
或
あるひ
はパウロ、
或
あるひ
はアポロ、
或
あるひ
はケパ、
或
あるひ
は
世界
せかい
、あるひは
生
せい
、あるひは
死
し
、あるひは
現在
げんざい
のもの、
或
あるひ
は
未來
みらい
のもの、
皆
みな
なんぢらの
有
もの
なり。
336㌻
23
汝
なんぢ
等
ら
はキリストの
有
もの
、キリストは
神
かみ
のものなり。
第4章
1
人
ひと
、
宜
よろ
しく
我
われ
らをキリストの
役者
えきしゃ
また
神
かみ
の
奧義
おくぎ
を
掌
つかさ
どる
家
いへ
司
つかさ
のごとく
思
おも
ふべし。
2
さて
家
いへ
司
つかさ
に
求
もと
むべきは
忠實
ちゅうじつ
ならん
事
こと
なり。
3
我
われ
は
汝
なんぢ
らに
審
さば
かれ、
或
あるひ
は
人
ひと
の
審判󠄄
さばき
によりて
審
さば
かるることを
最
いと
小
ちひさ
き
事
こと
とし、また
自
みづか
らも
己
おのれ
を
審
さば
かず。
4
我
われ
みづから
責
せ
むべき
所󠄃
ところ
あるを
覺
おぼ
えねど、
之
これ
に
由
よ
りて
義
ぎ
とせらるる
事
こと
なければなり。
我
われ
を
審
さば
きたまふ
者
もの
は
主
しゅ
なり。
5
然
さ
れば
主
しゅ
の
來
きた
り
給
たま
ふまでは
時
とき
に
先
さき
だちて
審判󠄄
さばき
すな。
主
しゅ
は
暗󠄃
くらき
にある
隱
かく
れたる
事
こと
を
明
あきら
かにし、
心
こゝろ
の
謀計
はかりごと
をあらはし
給
たま
はん。その
時
とき
おのおの
神
かみ
より
其
そ
の
譽
ほまれ
を
得
う
べし。
6
兄弟
きゃうだい
よ、われ
汝
なんぢ
等
ら
のために
此
これ
等
ら
のことを
我
われ
とアポロとの
上
うへ
に
當
あ
てて
言
い
へり。これ
汝
なんぢ
らが『
錄
しる
されたる
所󠄃
ところ
を
踰
こ
ゆまじき』を
我
われ
らの
事
こと
によりて
學
まな
び、この
人
ひと
をあげ、かの
人
ひと
を
貶
おと
して
誇
ほこ
らざらん
爲
ため
なり。
7
汝
なんぢ
をして
人
ひと
と
異
こと
ならしむる
者
もの
は
誰
たれ
ぞ、なんぢの
有
も
てる
物
もの
に
何
なに
か
受
う
けぬ
物
もの
あるか。もし
受
う
けしならば、
何
なに
ぞ
受
う
けぬごとく
誇
ほこ
るか。
8
なんぢら
旣
すで
に
飽󠄄
あ
き、
旣
すで
に
富
と
めり、
我
われ
らを
差措
さしお
きて
王
わう
となれり。われ
實
じつ
に
汝
なんぢ
らが
王
わう
たらんことを
願
ねが
ふ、われらも
共
とも
に
王
わう
たることを
得
え
んが
爲
ため
なり。
〘244㌻〙
9
我
われ
おもふ、
神
かみ
は
使徒
しと
たる
我
われ
らを
死
し
に
定
さだ
められし
者
もの
のごとく、
後
しりへ
の
者
もの
として
見
み
せ
給
たま
へり。
實
じつ
に
我
われ
らは
宇宙
うちう
のもの、
即
すなは
ち
御使
みつかひ
にも、
衆人
ひとびと
にも、
觀物
みもの
にせられたるなり。
10
我
われ
等
ら
はキリストのために
愚
おろか
なる
者
もの
となり、
汝
なんぢ
らはキリストに
在
あ
りて
慧󠄄
さと
き
者
もの
となれり。
我等
われら
は
弱󠄃
よわ
く
汝
なんぢ
らは
强
つよ
し、
汝
なんぢ
らは
尊󠄅
たふと
く
我
われ
らは
卑
いや
し。
11
今
いま
の
時
とき
にいたるまで
我
われ
らは
飢󠄄
う
ゑ、
渇
かわ
き、また
裸
はだか
となり、また
打
う
たれ、
定
さだま
れる
住󠄃家
すみか
なく、
12
手
て
づから
働
はたら
きて
勞
らう
し、
罵
のゝし
らるるときは
祝
しく
し、
責
せ
めらるるときは
忍󠄄
しの
び、
337㌻
13
譏
そし
らるるときは
勸
すゝめ
をなせり。
我
われ
らは
今
いま
に
至
いた
るまで
世
よ
の
塵芥
あくた
のごとく、
萬
よろづ
の
物
もの
の
垢
あか
のごとく
爲
せ
られたり。
14
わが
斯
か
く
書
しる
すは
汝
なんぢ
らを
辱
はづか
しめんとにあらず、
我
わ
が
愛
あい
する
子
こ
として
訓戒
くんかい
せんためなり。
15
汝
なんぢ
等
ら
にはキリストに
於
お
ける
守役
もりやく
一萬
いちまん
ありとも、
父󠄃
ちち
は
多
おほ
くあることなし。そはキリスト・イエスに
在
あ
りて
福音󠄃
ふくいん
により
汝
なんぢ
らを
生
う
みたるは、
我
われ
なればなり。
16
この
故
ゆゑ
に
汝
なんぢ
らに
勸
すゝ
む、
我
われ
に
效
なら
ふ
者
もの
とならんことを。
17
之
これ
がために
主
しゅ
にありて
忠實
ちゅうじつ
なる
我
わ
が
愛子
あいし
テモテを
汝
なんぢ
らに
遣󠄃
つかは
せり。
彼
かれ
は
我
わ
がキリストにありて
行
おこな
ふところ、
即
すなは
ち
常
つね
に
各地
かくち
の
敎會
けうくわい
に
敎
をし
ふる
所󠄃
ところ
を
汝
なんぢ
らに
思
おも
ひ
出
いだ
さしむべし。
18
わが
汝
なんぢ
らに
到
いた
ること
無
な
しとして
誇
ほこ
る
者
もの
あり。
19
されど
主
しゅ
の
御意󠄃
みこゝろ
ならば
速󠄃
すみや
かに
汝
なんぢ
等
ら
にいたり、
誇
ほこ
る
者
もの
の
言
ことば
にはあらで、その
能力
ちから
を
知
し
らんとす。
20
神
かみ
の
國
くに
は
言
ことば
にあらず、
能力
ちから
にあればなり。
21
汝
なんぢ
ら
何
なに
を
欲
ほっ
するか、われ
笞
しもと
をもて
到
いた
らんか、
愛
あい
と
柔和
にうわ
の
心
こゝろ
とをもて
到
いた
らんか。
第5章
1
現
げん
に
聞
き
く
所󠄃
ところ
によれば、
汝
なんぢ
らの
中
うち
に
淫行
いんかう
ありと、
而
しか
してその
淫行
いんかう
は
異邦人
いはうじん
の
中
うち
にもなき
程
ほど
にして、
或
ある
人
ひと
その
父󠄃
ちち
の
妻
つま
を
有
も
てりと
云
い
ふ。
2
斯
かく
てもなほ
汝
なんぢ
ら
誇
ほこ
ることをなし、
斯
かゝ
る
行爲
おこなひ
をなしし
者
もの
の
除
のぞ
かれんことを
願
ねが
ひて
悲
かな
しまざるか。
3
われ
身
み
は
汝
なんぢ
らを
離
はな
れ
居
を
れども、
心
こゝろ
は
偕
とも
に
在
あ
りて
其處
そこ
に
居
を
るごとく、
斯
かゝ
ることを
行
おこな
ひし
者
もの
を
旣
すで
に
審
さば
きたり。
4
即
すなは
ち
汝
なんぢ
ら
及
およ
び
我
わ
が
靈
れい
の、
我
われ
らの
主
しゅ
イエスの
能力
ちから
をもて
偕
とも
に
集
あつま
らんとき、
主
しゅ
イエスの
名
な
によりて、
5
斯
かく
のごとき
者
もの
をサタンに
付
わた
さんとす、
是
これ
その
肉
にく
は
亡
ほろぼ
されて、
其
そ
の
靈
れい
は
主
しゅ
イエスの
日
ひ
に
救
すく
はれん
爲
ため
なり。
338㌻
6
汝
なんぢ
らの
誇
ほこり
は
善
よ
からず。
少
すこ
しのパン
種
だね
の、
粉
こな
の
團塊
かたまり
をみな
膨
ふく
れしむるを
知
し
らぬか。
7
なんぢら
新
あたら
しき
團塊
かたまり
とならんために
舊
ふる
きパン
種
だね
を
取
と
り
除
のぞ
け、
汝
なんぢ
らはパン
種
だね
なき
者
もの
なればなり。
夫
それ
われらの
過󠄃越
すぎこし
の
羔羊
こひつじ
、
即
すなは
ちキリスト
旣
すで
に
屠
ほふ
られ
給
たま
へり、
8
されば
我
われ
らは
舊
ふる
きパン
種
だね
を
用
もち
ひず、また
惡
あく
と
邪曲
よこしま
とのパン
種
だね
を
用
もち
ひず、
眞實
しんじつ
と
眞
まこと
との
種
たね
なしパンを
用
もち
ひて
祭
まつり
を
行
おこな
ふべし。
〘245㌻〙
9
われ
前󠄃
さき
の
書
ふみ
にて
淫行
いんかう
の
者
もの
と
交
まじは
るなと
書
か
き
贈
おく
りしは、
10
此
こ
の
世
よ
の
淫行
いんかう
の
者
もの
、または
貪欲
どんよく
のもの、
奪
うば
ふ
者
もの
、または
偶像
ぐうざう
を
拜
をが
む
者
もの
と
更
さら
に
交
まじは
るなと
言
い
ふにあらず(もし
然
しか
せば
世
よ
を
離
はな
れざるを
得
え
ず)
11
ただ《[*]》
兄弟
きゃうだい
と
稱
とな
ふる
者
もの
の
中
うち
に
或
あるひ
は
淫行
いんかう
のもの
或
あるひ
は
貪欲
どんよく
のもの
或
あるひ
は
偶像
ぐうざう
を
拜
をが
む
者
もの
、あるひは
罵
のゝし
るもの
或
あるひ
は
酒
さけ
に
醉
ゑ
ふもの
或
あるひ
は
奪
うば
ふ
者
もの
あらば、
斯
かゝ
る
人
ひと
と
交
まじは
ることなく、
共
とも
に
食󠄃
しょく
する
事
こと
だにすなとの
意󠄃
こゝろ
なり。[*或は「今また書き贈る、兄弟……すな」と譯す。]
12
外
そと
の
者
もの
を
審
さば
くことは
我
われ
の
干
あづか
る
所󠄃
ところ
ならんや、
汝
なんぢ
らの
審
さば
くは、ただ
內
うち
の
者
もの
ならずや。
13
外
そと
にある
者
もの
は
神
かみ
これを
審
さば
き
給
たま
ふ、かの
惡
あ
しき
者
もの
を
汝
なんぢ
らの
中
うち
より
退󠄃
しりぞ
けよ。
第6章
1
汝
なんぢ
等
ら
のうち
互
たがひ
に
事
こと
あるとき、
之
これ
を
聖󠄄徒
せいと
の
前󠄃
まへ
に
訴
うった
へずして
正
たゞ
しからぬ
者
もの
の
前󠄃
まへ
に
訴
うった
ふることを
敢
あへ
てする
者
もの
あらんや。
2
汝
なんぢ
ら
知
し
らぬか、
聖󠄄徒
せいと
は
世
よ
を
審
さば
くべき
者
もの
なるを。
世
よ
もし
汝
なんぢ
らに
審
さば
かれんには、
汝
なんぢ
ら
最
いと
小
ちひさ
き
事
こと
を
審
さば
くに
足
た
らぬ
者
もの
ならんや。
3
なんぢら
知
し
らぬか、
我
われ
らは
御使
みつかひ
を
審
さば
くべき
者
もの
なるを、
况
まし
てこの
世
よ
の
事
こと
をや。
4
然
しか
る《[*]》に
汝
なんぢ
ら
審
さば
くべき
此
こ
の
世
よ
の
事
こと
のあるとき、
敎會
けうくわい
にて
輕
かろ
しむる
所󠄃
ところ
の
者
もの
を
審判󠄄
さばき
の
座
ざ
に
坐
すわ
らしむるか。[*或は「さらば……すわらしめよ」と譯す。]
5
わが
斯
か
く
言
い
ふは
汝
なんぢ
らを
辱
はづか
しめんとてなり。
汝
なんぢ
等
ら
のうちに
兄弟
きゃうだい
の
間
うち
のことを
審
さば
き
得
う
る
智
かしこ
きもの
一人
ひとり
だになく、
6
兄弟
きゃうだい
は
兄弟
きゃうだい
を、
而
しか
も
不
ふ
信者
しんじゃ
の
前󠄃
まへ
に
訴
うった
ふるか。
7
互
たがひ
に
相
あい
訴
うった
ふるは
旣
すで
に
當
まさ
しく
汝
なんぢ
らの
失態
しったい
なり。
何
なに
ゆゑ
寧
むし
ろ
不義
ふぎ
を
受
う
けぬか、
何
なに
ゆゑ
寧
むし
ろ
欺
あざむ
かれぬか。
339㌻
8
然
しか
るに
汝
なんぢ
ら
不義
ふぎ
をなし、
詐欺
あざむき
をなし、
兄弟
きゃうだい
にも
之
これ
を
爲
な
す。
9
汝
なんぢ
ら
知
し
らぬか、
正
たゞ
しからぬ
者
もの
の
神
かみ
の
國
くに
を
嗣
つ
ぐことなきを。
自
みづか
ら
欺
あざむ
くな、
淫行
いんかう
のもの、
偶像
ぐうざう
を
拜
をが
むもの、
姦淫
かんいん
をなすもの、
男娼
だんしゃう
となるもの、
男色
なんしょく
を
行
おこな
ふ
者
もの
、
10
盜
ぬすみ
するもの、
貪欲
どんよく
のもの、
酒
さけ
に
醉
ゑ
ふもの、
罵
のゝし
るもの、
奪
うば
ふ
者
もの
などは、みな
神
かみ
の
國
くに
を
嗣
つ
ぐことなきなり。
11
汝
なんぢ
等
ら
のうち
曩
さき
には
斯
かく
のごとき
者
もの
ありしかど、
主
しゅ
イエス・キリストの
名
な
により、
我
われ
らの
神
かみ
の
御靈
みたま
によりて、
己
おのれ
を
洗
あら
ひ、かつ
潔󠄄
きよ
められ、かつ
義
ぎ
とせらるることを
得
え
たり。
12
一切
すべて
のもの
我
われ
に
可
よ
からざるなし、
然
さ
れど
一切
すべて
のもの
益
えき
あるにあらず。
一切
すべて
のもの
我
われ
に
可
よ
からざるなし、
然
さ
れど
我
われ
は
何
なに
物
もの
にも
支配
しはい
せられず、
13
食󠄃物
しょくもつ
は
腹
はら
のため、
腹
はら
は
食󠄃物
しょくもつ
のためなり。
然
さ
れど
神
かみ
は
之
これ
をも
彼
かれ
をも
亡
ほろぼ
し
給
たま
はん。
身
み
は
淫行
いんかう
をなさん
爲
ため
にあらず、
主
しゅ
の
爲
ため
なり、
主
しゅ
はまた
身
み
の
爲
ため
なり。
14
神
かみ
は
旣
すで
に
主
しゅ
を
甦
よみが
へらせ
給
たま
へり、
又󠄂
また
その
能力
ちから
をもて
我等
われら
をも
甦
よみが
へらせ
給
たま
はん。
〘246㌻〙
15
汝
なんぢ
らの
身
み
はキリストの
肢體
したい
なるを
知
し
らぬか、
然
さ
らばキリストの
肢體
したい
をとりて
遊󠄃女
あそびめ
の
肢體
したい
となすべきか、
決
けっ
して
然
しか
すべからず。
16
遊󠄃女
あそびめ
につく
者
もの
は
彼
かれ
と
一
ひと
つ
體
からだ
となることを
知
し
らぬか『
二人
ふたり
のもの
一體
いったい
となるべし』と
言
い
ひ
給
たま
へり。
17
主
しゅ
につく
者
もの
は
之
これ
と
一
ひと
つ
靈
れい
となるなり。
18
淫行
いんかう
を
避󠄃
さ
けよ、
人
ひと
のをかす
罪
つみ
はみな
身
み
の
外
ほか
にあり、されど
淫行
いんかう
をなす
者
もの
は
己
おの
が
身
み
を
犯
をか
すなり。
19
汝
なんぢ
らの
身
み
は、その
內
うち
にある、
神
かみ
より
受
う
けたる
聖󠄄
せい
靈
れい
の
宮
みや
にして、
汝
なんぢ
らは
己
おのれ
の
者
もの
にあらざるを
知
し
らぬか。
20
汝
なんぢ
らは
價
あたひ
をもて
買
か
はれたる
者
もの
なり、
然
さ
らばその
身
み
をもて
神
かみ
の
榮光
えいくわう
を
顯
あらは
せ。
340㌻
第7章
1
汝
なんぢ
らが
我
われ
に
書
か
きおくりし
事
こと
に
就
つ
きては、
男
をとこ
の
女
をんな
に
觸
ふ
れぬを
善
よ
しとす。
2
然
さ
れど
淫行
いんかう
を
免
まぬか
れんために、
男
をとこ
はおのおの
其
そ
の
妻
つま
をもち、
女
をんな
はおのおの
其
そ
の
夫
をっと
を
有
も
つべし。
3
夫
をっと
はその
分󠄃
ぶん
を
妻
つま
に
盡
つく
し、
妻
つま
もまた
夫
をっと
に
然
しか
すべし。
4
妻
つま
は
己
おの
が
身
み
を
支配
しはい
する
權
けん
をもたず、
之
これ
を
持
も
つ
者
もの
は
夫
それ
なり。
斯
かく
のごとく
夫
をっと
も
己
おの
が
身
み
を
支配
しはい
する
權
けん
を
有
も
たず、
之
これ
を
有
も
つ
者
もの
は
妻
つま
なり。
5
相
あひ
共
とも
に
拒
こば
むな、ただ
祈
いのり
に
身
み
を
委
ゆだ
ぬるため
合意󠄃
がふい
にて
暫
しばら
く
相
あひ
別
わか
れ、
後
のち
また
偕
とも
になるは
善
よ
し。これ
汝
なんぢ
らが
情󠄃
じゃう
の
禁
きん
じがたきに
乘
じょう
じてサタンの
誘
いざな
ふことなからん
爲
ため
なり。
6
されど
我
わ
が
斯
か
くいふは
命
めい
ずるにあらず、
許
ゆる
すなり。
7
わが
欲
ほっ
する
所󠄃
ところ
は、すべての
人
ひと
の
我
わ
が
如
ごと
くならん
事
こと
なり。
然
さ
れど
神
かみ
より
各自
おのおの
おのが
賜物
たまもの
を
受
う
く、
此
これ
は
此
これ
のごとく、
彼
かれ
は
彼
かれ
のごとし。
8
我
われ
は
婚姻
こんいん
せぬ
者
もの
および
寡婦󠄃
やもめ
に
言
い
ふ。もし
我
わ
が
如
ごと
くにして
居
を
らば
彼
かれ
等
ら
のために
善
よ
し。
9
もし
自
みづか
ら
制
せい
すること
能
あた
はずば
婚姻
こんいん
すべし、
婚姻
こんいん
するは
胸
むね
の
燃
も
ゆるよりも
勝󠄃
まさ
ればなり。
10
われ
婚姻
こんいん
したる
者
もの
に
命
めい
ず(
命
めい
ずる
者
もの
は
我
われ
にあらず
主
しゅ
なり)
妻
つま
は
夫
をっと
と
別
わか
るべからず。
11
もし
別
わか
るる
事
こと
あらば、
嫁
とつ
がずして
居
を
るか、
又󠄂
また
は
夫
をっと
と
和
やはら
げ。
夫
をっと
もまた
妻
つま
を
去
さ
るべからず。
12
その
外
ほか
の
人
ひと
に
我
われ
いふ(
主
しゅ
の
言
い
ひ
給
たま
ふにあらず)もし
或
あ
る
兄弟
きゃうだい
に
不
ふ
信者
しんじゃ
なる
妻
つま
ありて
偕
とも
に
居
を
ることを
可
よ
しとせば、
之
これ
を
去
さ
るな。
13
また
女
をんな
に
不
ふ
信者
しんじゃ
なる
夫
をっと
ありて
偕
とも
に
居
を
ることを
可
よ
しとせば、
夫
をっと
を
去
さ
るな。
14
そは
不
ふ
信者
しんじゃ
なる
夫
をっと
は
妻
つま
によりて
潔󠄄
きよ
くなり、
不
ふ
信者
しんじゃ
なる
妻
つま
は
夫
をっと
によりて
潔󠄄
きよ
くなりたればなり。
然
さ
なくば
汝
なんぢ
らの
子供
こども
は
潔󠄄
きよ
からず、されど
今
いま
は
潔󠄄
きよ
き
者
もの
なり。
15
不
ふ
信者
しんじゃ
みづから
離
はな
れ
去
さ
らば、その
離
はな
るるに
任
まか
せよ。
斯
かく
のごとき
事
こと
あらば、
兄弟
きゃうだい
または
姉妹
しまい
、もはや
繋
つな
がるる
所󠄃
ところ
なし。
神
かみ
の
汝
なんぢ
らを
召
め
し
給
たま
へるは
平󠄃和
へいわ
を
得
え
させん
爲
ため
なり。
〘247㌻〙
16
妻
つま
よ、
汝
なんぢ
いかで
夫
をっと
を
救
すく
ひ
得
う
るや
否
いな
やを
知
し
らん。
夫
をっと
よ、
汝
なんぢ
いかで
妻
つま
を
救
すく
ひ
得
う
るや
否
いな
やを
知
し
らん。
341㌻
17
唯
たゞ
おのおの
主
しゅ
の
分󠄃
わか
ち
賜
たま
ふところ、
神
かみ
の
召
め
し
給
たま
ふところに
循
したが
ひて
步
あゆ
むべし。
凡
すべ
ての
敎會
けうくわい
に
我
わ
が
命
めい
ずるは
斯
かく
のごとし。
18
割󠄅禮
かつれい
ありて
召
め
されし
者
もの
あらんか、その
人
ひと
、
割󠄅禮
かつれい
を
廢
す
つべからず。
割󠄅禮
かつれい
なくして
召
め
されし
者
もの
あらんか、その
人
ひと
、
割󠄅禮
かつれい
を
受
う
くべからず。
19
割󠄅禮
かつれい
を
受
う
くるも
受
う
けぬも
數
かぞ
ふるに
足
た
らず、ただ
貴
たふと
きは
神
かみ
の
誡命
いましめ
を
守
まも
ることなり。
20
各人
おのおの
その
召
め
されし
時
とき
の
狀
さま
に
止
とゞま
るべし。
21
なんぢ
奴隷
どれい
にて
召
め
されたるか、
之
これ
を
思
おも
ひ
煩
わづら
ふな(もし
釋
ゆる
さるることを
得
え
ばゆるされよ)
22
召
め
されて
主
しゅ
にある
奴隷
どれい
は、
主
しゅ
につける
自主
じしゅ
の
人
ひと
なり。
斯
かく
のごとく
自主
じしゅ
にして
召
め
されたる
者
もの
は、キリストの
奴隷
どれい
なり。
23
汝
なんぢ
らは
價
あたひ
をもて
買
か
はれたる
者
もの
なり。
人
ひと
の
奴隷
どれい
となるな。
24
兄弟
きゃうだい
よ、おのおの
召
め
されし
時
とき
の
狀
さま
に
止
とゞま
りて
神
かみ
と
偕
とも
に
居
を
るべし。
25
處女
をとめ
のことに
就
つ
きては
主
しゅ
の
命
めい
を
受
う
けず、
然
さ
れど
主
しゅ
の
憐憫
あはれみ
によりて
忠實
ちゅうじつ
の
者
もの
となりたれば、
我
わ
が
意󠄃見
いけん
を
吿
つ
ぐべし。
26
われ
思
おも
ふに、
目前󠄃
まのあたり
の
患難
なやみ
のためには、
人
ひと
その
在
あ
るが
隨
まゝ
にて
止
とゞま
るぞ
善
よ
き。
27
なんぢ
妻
つま
に
繋
つな
がるる
者
もの
なるか、
釋
と
くことを
求
もと
むな。
妻
つま
に
繋
つな
がれぬ
者
もの
なるか、
妻
つま
を
求
もと
むな。
28
たとひ
妻
つま
を
娶
めと
るとも
罪
つみ
を
犯
をか
すにはあらず。
處女
をとめ
もし
嫁
とつ
ぐとも
罪
つみ
を
犯
をか
すにあらず。
然
さ
れど
斯
かゝ
る
者
もの
はその
身
み
、
苦難
くるしみ
に
遭󠄃
あ
はん、
我
われ
なんぢらを
苦難
くるしみ
に
遭󠄃
あ
はすに
忍󠄄
しの
びず。
29
兄弟
きゃうだい
よ、われ
之
これ
を
言
い
はん、
時
とき
は
縮
ちゞま
れり。されば
此
これ
よりのち
妻
つま
を
有
も
てる
者
もの
は
有
も
たぬが
如
ごと
く、
30
泣
な
く
者
もの
は
泣
な
かぬが
如
ごと
く、
喜
よろこ
ぶ
者
もの
は
喜
よろこ
ばぬが
如
ごと
く、
買
か
ふ
者
もの
は
有
も
たぬが
如
ごと
く、
31
世
よ
を
用
もち
ふる
者
もの
は
用
もち
ひ
盡
つく
さぬが
如
ごと
くすべし。
此
こ
の
世
よ
の
狀態
ありさま
は
過󠄃
すぎ
徃
ゆ
くべければなり。
32
わが
欲
ほっ
する
所󠄃
ところ
は
汝
なんぢ
らが
思
おも
ひ
煩
わづら
はざらん
事
こと
なり。
婚姻
こんいん
せぬ
者
もの
は
如何
いか
にして
主
しゅ
を
喜
よろこ
ばせんと
主
しゅ
のことを
慮
おもん
ぱかり、
342㌻
33
婚姻
こんいん
せし
者
もの
は
如何
いか
にして
妻
つま
を
喜
よろこ
ばせんと
世
よ
のことを
慮
おもん
ぱかりて
心
こゝろ
を
分󠄃
わか
つなり。
34
婚姻
こんいん
せぬ
女
をんな
と
處女
をとめ
とは
身
み
も
靈
れい
も
潔󠄄
きよ
くならんために
主
しゅ
のことを
慮
おもん
ぱかり、
婚姻
こんいん
せし
者
もの
は
如何
いか
にしてその
夫
をっと
を
喜
よろこ
ばせんと
世
よ
のことを
慮
おもん
ぱかるなり。
35
わが
之
これ
を
言
い
ふは
汝
なんぢ
らを
益
えき
せん
爲
ため
にして
汝
なんぢ
らに
絆
ほだし
を
置
お
かんとするにあらず、
寧
むし
ろ
汝
なんぢ
らを
宣
よろ
しきに
適󠄄
かな
はせ、
餘念
よねん
なく
只管
ひたすら
、
主
しゅ
に
事
つか
へしめんとてなり。
36
人
ひと
もし
處女
をとめ
たる
己
おの
が
娘
むすめ
に
對
たい
すること
宣
よろ
しきに
適󠄄
かな
はずと
思
おも
ひ、
年
とし
の
頃
ころ
もまた
過󠄃
す
ぎんとし、かつ
然
しか
せざるを
得
え
ずば、
心
こゝろ
のままに
行
おこな
ふべし。これ
罪
つみ
を
犯
をか
すにあらず、
婚姻
こんいん
せさすべし。
〘248㌻〙
37
されど
人
ひと
もし
其
そ
の
心
こゝろ
を
堅
かた
くし、
止
や
むを
得
え
ざる
事
こと
もなく、
又󠄂
また
おのが
心
こゝろ
の
隨
まま
になすを
得
え
て、その
娘
むすめ
を
留
とゞ
め
置
お
かんと
心
こゝろ
のうちに
定
さだ
めたらば、
然
しか
するは
善
よ
きなり。
38
されば
其
そ
の
娘
むすめ
を
嫁
とつ
がする
者
もの
の
行爲
おこなひ
は
善
よ
し。されど
之
これ
を
嫁
とつ
がせぬ
者
もの
の
行爲
おこなひ
は
更
さら
に
善
よ
し。
39
妻
つま
は
夫
をっと
の
生
い
ける
間
うち
は
繋
つな
がるるなり。
然
さ
れど
夫
をっと
もし
死
し
なば、
欲
ほっ
するままに
嫁
とつ
ぐ
自由
じいう
を
得
う
べし、ただ
主
しゅ
にある
者
もの
にのみ
適󠄄
ゆ
くべし。
40
然
さ
れど
我
わ
が
意󠄃見
いけん
にては、その
儘
まゞ
に
止
とゞま
らば
殊
こと
に
幸福
さいはひ
なり。
我
われ
もまた
神
かみ
の
御靈
みたま
に
感
かん
じたりと
思
おも
ふ。
第8章
1
偶像
ぐうざう
の
供物
そなへもの
に
就
つ
きては
我等
われら
みな
知識
ちしき
あることを
知
し
る。
知識
ちしき
は
人
ひと
を
誇
ほこ
らしめ、
愛
あい
は
德
とく
を
建
た
つ。
2
もし
人
ひと
みづから
知
し
れりと
思
おも
はば、
知
し
るべき
程
ほど
の
事
こと
をも
知
し
らぬなり。
3
然
さ
れど
人
ひと
もし
神
かみ
を
愛
あい
せば、その
人
ひと
、
神
かみ
に
知
し
られたるなり。
4
偶像
ぐうざう
の
供物
そなへもの
を
食󠄃
くら
ふことに
就
つ
きては、
我
われ
ら
偶像
ぐうざう
の
世
よ
になき
者
もの
なるを
知
し
り、また
唯一
ゆゐいつ
の
神
かみ
の
外
ほか
には
神
かみ
なきを
知
し
る。
5
神
かみ
と
稱
とな
ふるもの、
或
あるひ
は
天
てん
に
或
あるひ
は
地
ち
にありて、
多
おほ
くの
神
かみ
、おほくの
主
しゅ
あるが
如
ごと
くなれど、
6
我
われ
らには
父󠄃
ちち
なる
唯一
ゆゐいつ
の
神
かみ
あるのみ、
萬物
ばんもつ
これより
出
い
で、
我
われ
らも
亦
また
これに
歸
き
す。また
唯一
ゆゐいつ
の
主
しゅ
イエス・キリストあるのみ、
萬物
ばんもつ
これに
由
よ
り、
我
われ
らも
亦
また
これに
由
よ
れり。
343㌻
7
然
さ
れど
人
ひと
みな
此
こ
の
知識
ちしき
あるにあらず、
或
ある
人
ひと
は
今
いま
もなほ
偶像
ぐうざう
に
慣
な
れ、
偶像
ぐうざう
の
獻物
さゝげもの
として
食󠄃
しょく
する
故
ゆゑ
に、その
良心
りゃうしん
よわくして
汚
けが
さるるなり。
8
我
われ
らを
神
かみ
の
前󠄃
まへ
に
立
た
たしむるものは
食󠄃物
しょくもつ
にあらず、されば
食󠄃
しょく
するも
益
えき
なく、
食󠄃
しょく
せざるも
損
そん
なし。
9
然
さ
れど
心
こゝろ
して
汝
なんぢ
らの
有
も
てる
此
こ
の
自由
じいう
を
弱󠄃
よわ
き
者
もの
の
躓物
つまづき
とすな。
10
人
ひと
もし
知識
ちしき
ある
汝
なんぢ
が
偶像
ぐうざう
の
宮
みや
にて
食󠄃事
しょくじ
するを
見
み
んに、その
人
ひと
弱󠄃
よわ
きときは
良心
りゃうしん
そそのかされて
偶像
ぐうざう
の
獻物
ささげもの
を
食󠄃
しょく
せざらんや。
11
然
さ
らばキリストの
代
かわ
りて
死
し
に
給
たま
ひし
弱󠄃
よわ
き
兄弟
きゃうだい
は、
汝
なんぢ
の
知識
ちしき
によりて
亡
ほろ
ぶべし。
12
斯
かく
のごとく
汝
なんぢ
ら
兄弟
きゃうだい
に
對
たい
して
罪
つみ
を
犯
をか
し、その
弱󠄃
よわ
き
良心
りゃうしん
を
傷
いた
めしむるは、キリストに
對
たい
して
罪
つみ
を
犯
をか
すなり。
13
この
故
ゆゑ
に、もし
食󠄃物
しょくもつ
わが
兄弟
きゃうだい
を
躓
つまづ
かせんには、
兄弟
きゃうだい
を
躓
つまづ
かせぬ
爲
ため
に、
我
われ
は
何時
いつ
までも
肉
にく
を
食󠄃
くら
はじ。
第9章
1
我
われ
は
自主
じしゅ
の
者
もの
ならずや、
使徒
しと
にあらずや、
我
われ
らの
主
しゅ
イエスを
見
み
しにあらずや、
汝
なんぢ
らは
主
しゅ
に
在
あ
りて
我
わ
が
業
わざ
ならずや。
2
われ
他
ほか
の
人
ひと
には
使徒
しと
ならずとも
汝
なんぢ
らには
使徒
しと
なり。
汝
なんぢ
らは
主
しゅ
にありて
我
わ
が
使徒
しと
たる
職
つとめ
の
印
いん
なればなり。
3
われを
審
さば
く
者
もの
に
對
たい
する
我
わ
が
辯明
べんめい
は
斯
かく
のごとし。
4
我
われ
らは
飮食󠄃
いんしょく
する
權
けん
なきか。
〘249㌻〙
5
我
われ
らは
他
ほか
の
使徒
しと
たち、
主
しゅ
の
兄弟
きゃうだい
たち
及
およ
びケパのごとく
姉妹
しまい
たる
妻
つま
を
携
たづさ
ふる
權
けん
なきか。
6
ただ
我
われ
とバルナバとのみ
工
わざ
を
止
や
むる
權
けん
なきか。
7
誰
たれ
か
己
おのれ
の
財
ざい
にて
兵卒
へいそつ
を
務
つと
むる
者
もの
あらんや。
誰
たれ
か
葡萄畑
ぶだうばたけ
を
作
つく
りてその
果
み
を
食󠄃
く
はぬ
者
もの
あらんや。
誰
たれ
か
群
むれ
を
牧
か
ひてその
乳󠄃
ちゝ
を
飮
の
まぬ
者
もの
あらんや。
8
我
われ
ただ
人
ひと
の
思
おもひ
にのみ
由
よ
りて
此
これ
等
ら
のことを
言
い
はんや、
律法
おきて
も
亦
また
かく
言
い
ふにあらずや。
9
モーセの
律法
おきて
に『
穀物
こくもつ
を
碾
こな
す
牛
うし
には
口籠
くつご
を
繋
か
くべからず』と
錄
しる
したり。
神
かみ
は
牛
うし
のために
慮
おもん
ぱかり
給
たま
へるか、
344㌻
10
また
專
もっぱ
ら
我等
われら
のために
之
これ
を
言
い
ひ
給
たま
ひしか、
然
しか
り、
我
われ
らのために
錄
しる
されたり。それ
耕
たがや
す
者
もの
は
望󠄇
のぞみ
をもて
耕
たがや
し、
穀物
こくもつ
をこなす
者
もの
は
之
これ
に
與
あづか
る
望󠄇
のぞみ
をもて
碾
こな
すべきなり。
11
もし
我
われ
ら
靈
れい
の
物
もの
を
汝
なんぢ
らに
蒔
ま
きしならば、
汝
なんぢ
らの
肉
にく
の
物
もの
を
刈
か
り
取
と
るは
過󠄃分󠄃
くわぶん
ならんや。
12
もし
他
ほか
の
人
ひと
なんぢらに
對
たい
してこの
權
けん
あらんには、
况
まし
て
我
われ
らをや。
然
さ
れど
我等
われら
はこの
權
けん
を
用
もち
ひざりき。
唯
たゞ
キリストの
福音󠄃
ふくいん
に
障碍
さまたげ
なきやうに
一切
すべて
のことを
忍󠄄
しの
ぶなり。
13
なんぢら
知
し
らぬか、
聖󠄄
せい
なる
事
こと
を
務
つと
むる
者
もの
は
宮
みや
のものを
食󠄃
しょく
し、
祭壇
さいだん
に
事
つか
ふる
者
もの
は
祭壇
さいだん
のものに
與
あづか
るを。
14
斯
かく
のごとく
主
しゅ
もまた
福音󠄃
ふくいん
を
宣傳
のべつた
ふる
者
もの
の
福音󠄃
ふくいん
によりて
生活
すぎはひ
すべきことを
定
さだ
め
給
たま
へり。
15
されど
我
われ
は
此
これ
等
ら
のことを
一
ひと
つだに
用
もち
ひし
事
こと
なし、また
自
みづか
ら
斯
か
く
爲
せ
られんために
之
これ
を
書
か
き
贈
おく
るにあらず、
斯
か
くせられんよりは
寧
むし
ろ
死
し
ぬるを
善
よ
しとすればなり。
誰
たれ
もわが
誇
ほこり
を
空󠄃
むな
しく
爲
せ
ざるべし。
16
われ
福音󠄃
ふくいん
を
宣傳
のべつた
ふとも
誇
ほこ
るべき
所󠄃
ところ
なし、
已
や
むを
得
え
ざるなり。もし
福音󠄃
ふくいん
を
宣傳
のべつた
へずば、
我
われ
は
禍害󠄅
わざはひ
なるかな。
17
若
も
しわれ
心
こゝろ
より
之
これ
をなさば
報
むくい
を
得
え
ん、たとひ
心
こゝろ
ならずとも
我
われ
はその
務
つとめ
を
委
ゆだ
ねられたり。
18
然
さ
らば
我
わ
が
報
むくい
は
何
なに
ぞ、
福音󠄃
ふくいん
を
宣傳
のべつた
ふるに、
人
ひと
をして
費
つひえ
なく
福音󠄃
ふくいん
を
得
え
しめ、
而
しか
も
福音󠄃
ふくいん
によりて
我
わ
が
有
も
てる
權
けん
を
用
もち
ひ
盡
つく
さぬこと
是
これ
なり。
19
われ
凡
すべ
ての
人
ひと
に
對
たい
して
自主
じしゅ
の
者
もの
なれど、
更
さら
に
多
おほ
くの
人
ひと
を
得
え
んために、
自
みづか
ら
凡
すべ
ての
人
ひと
の
奴隷
どれい
となれり。
20
我
われ
ユダヤ
人
びと
にはユダヤ
人
びと
の
如
ごと
くなれり、これユダヤ
人
びと
を
得
え
んが
爲
ため
なり。
律法
おきて
の
下
した
にある
者
もの
には――
律法
おきて
の
下
した
に
我
われ
はあらねど――
律法
おきて
の
下
した
にある
者
もの
の
如
ごと
くなれり。これ
律法
おきて
の
下
した
にある
者
もの
を
得
え
んが
爲
ため
なり。
21
律法
おきて
なき
者
もの
には――われ
神
かみ
に
向
むか
ひて
律法
おきて
なきにあらず、
反
かへ
つてキリストの
律法
おきて
の
下
した
にあれど――
律法
おきて
なき
者
もの
の
如
ごと
くなれり、これ
律法
おきて
なき
者
もの
を
得
え
んがためなり。
345㌻
22
弱󠄃
よわ
き
者
もの
には
弱󠄃
よわ
き
者
もの
となれり、これ
弱󠄃
よわ
き
者
もの
を
得
え
んためなり。
我
われ
すべての
人
ひと
には
凡
すべ
ての
人
ひと
の
狀
さま
に
從
したが
へり、これ
如何
いか
にもして
幾許
いくばく
かの
人
ひと
を
救
すく
はんためなり。
23
われ
福音󠄃
ふくいん
のために
凡
すべ
ての
事
こと
をなす、これ
我
われ
も
共
とも
に
福音󠄃
ふくいん
に
與
あづか
らん
爲
ため
なり。
〘250㌻〙
24
なんぢら
知
し
らぬか、
馳場
はせば
を
走
はし
る
者
もの
はみな
走
はし
れども、
褒美
はうび
を
得
う
る
者
もの
の、ただ
一人
ひとり
なるを。
汝
なんぢ
らも
得
え
んために
斯
か
く
走
はし
れ。
25
すべて
勝󠄃
かち
を
爭
あらそ
ふ
者
もの
は
何事
なにごと
をも
節󠄄
せっ
し
愼
つゝし
む、
彼
かれ
らは
朽
く
つる
冠冕
かんむり
を
得
え
んが
爲
ため
なれど、
我
われ
らは
朽
く
ちぬ
冠冕
かんむり
を
得
え
んがために
之
これ
をなすなり。
26
斯
か
く
我
わ
が
走
はし
るは
目標
めあて
なきが
如
ごと
きにあらず、
我
わ
が
拳鬪
けんとう
するは
空󠄃
くう
を
擊
う
つが
如
ごと
きにあらず。
27
わが
體
からだ
を
打
うち
擲
たゝ
きて
之
これ
を
服󠄃從
ふくじゅう
せしむ。
恐
おそ
らくは
他人
たにん
に
宣傳
のべつた
へて
自
みづか
ら
棄
す
てらるる
事
こと
あらん。
第10章
1
兄弟
きゃうだい
よ、
我
われ
なんぢらが
之
これ
を
知
し
らぬを
好
この
まず。
即
すなは
ち
我
われ
らの
先祖
せんぞ
はみな
雲
くも
の
下
した
にあり、みな
海
うみ
をとほり、
2
みな
雲
くも
と
海
うみ
とにてバプテスマを
受
う
けてモーセにつけり。
3
而
しか
して
皆
みな
おなじく
靈
れい
なる
食󠄃物
くひもの
を
食󠄃
しょく
し、
4
みな
同
おな
じく
靈
れい
なる
飮物
のみもの
を
飮
の
めり。これ
彼
かれ
らに
隨
したが
ひし
靈
れい
なる
岩
いは
より
飮
の
みたるなり、その
岩
いは
は
即
すなは
ちキリストなりき。
5
然
さ
れど
彼
かれ
らのうち
多
おほ
くは
神
かみ
の
御意󠄃
みこゝろ
に
適󠄄
かな
はず、
荒野
あらの
にて
亡
ほろぼ
されたり。
6
此
これ
等
ら
のことは
我
われ
らの
鑒
かゞみ
にして、
彼
かれ
らが
貪
むさぼ
りし
如
ごと
く
惡
あく
を
貪
むさぼ
らざらん
爲
ため
なり。
7
彼
かれ
らの
中
うち
の
或
ある
者
もの
に
效
なら
ひて
偶像
ぐうざう
を
拜
はい
する
者
もの
となるな、
即
すなは
ち『
民
たみ
は
坐
ざ
して
飮食󠄃
のみくひ
し
立
た
ちて
戯
たはむ
る』と
錄
しる
されたり。
8
又󠄂
また
かれらの
中
うち
の
或
ある
者
もの
に
效
なら
ひて
我
われ
ら
姦淫
かんいん
すべからず、
姦淫
かんいん
を
行
おこな
ひしもの
一日
いちにち
に
二萬
にまん
三
さん
千
ぜん
人
にん
死
し
にたり。
9
また
彼
かれ
等
ら
のうちの
或
ある
者
もの
に
效
なら
ひて
我
われ
ら
主
しゅ
を
試
こゝろ
むべからず、
主
しゅ
を
試
こゝろ
みしもの、
蛇
へび
に
亡
ほろぼ
されたり、
346㌻
10
又󠄂
また
かれらの
中
うち
の
或
ある
者
もの
に
效
なら
ひて
呟
つぶや
くな、
呟
つぶや
きしもの、
亡
ほろぼ
す
者
もの
に
亡
ほろぼ
されたり、
11
彼
かれ
らが
遭󠄃
あ
へる
此
これ
等
ら
のことは
鑒
かゞみ
となれり、かつ
末
すゑ
の
世
よ
に
遭󠄃
あ
へる
我
われ
らの
訓戒
くんかい
のために
錄
しる
されたり。
12
然
さ
らば
自
みづか
ら
立
た
てりと
思
おも
ふ
者
もの
は
倒
たふ
れぬやうに
心
こゝろ
せよ。
13
汝
なんぢ
らが
遭󠄃
あ
ひし
試煉
こゝろみ
は
人
ひと
の
常
つね
ならぬはなし。
神
かみ
は
眞實
まこと
なれば、
汝
なんぢ
らを
耐
た
へ
忍󠄄
しの
ぶこと
能
あた
はぬほどの
試煉
こゝろみ
に
遭󠄃
あ
はせ
給
たま
はず。
汝
なんぢ
らが
試煉
こゝろみ
を
耐
た
へ
忍󠄄
しの
ぶことを
得
え
んために、
之
これ
と
共
とも
に
遁
のが
るべき
道󠄃
みち
を
備
そな
へ
給
たま
はん。
14
さらば
我
わ
が
愛
あい
する
者
もの
よ、
偶像
ぐうざう
を
拜
はい
することを
避󠄃
さ
けよ。
15
われ
慧󠄄
さと
き
者
もの
に
言
い
ふごとく
言
い
はん、
我
わ
が
言
い
ふところを
判󠄄斷
はんだん
せよ。
16
我
われ
らが
祝
いは
ふところの
祝
いはひ
の
酒杯
さかづき
は、これキリストの
血
ち
に
與
あづか
るにあらずや。
我
われ
らが
擘
さ
く
所󠄃
ところ
のパンは、これキリストの
體
からだ
に
與
あづか
るにあらずや。
17
パンは
一
ひと
つなれば、
多
おほ
くの
我
われ
らも
一體
いったい
なり、
皆
みな
ともに
一
ひと
つのパンに
與
あづか
るに
因
よ
る。
18
肉
にく
によるイスラエルを
視
み
よ、
供物
そなへもの
を
食󠄃
くら
ふ
者
もの
は
祭壇
さいだん
に
與
あづか
るにあらずや。
19
然
さ
らば
我
わ
が
言
い
ふところは
何
なに
ぞ、
偶像
ぐうざう
の
供物
そなへもの
はあるものと
言
い
ふか、また
偶像
ぐうざう
はあるものと
言
い
ふか。
〘251㌻〙
20
否
いな
、
我
われ
は
言
い
ふ、
異邦人
いはうじん
の
供
そな
ふる
物
もの
は
神
かみ
に
供
そな
ふるにあらず、
惡鬼
あくき
に
供
そな
ふるなりと。
我
われ
なんぢらが
惡鬼
あくき
と
交
まじは
るを
欲
ほっ
せず。
21
なんぢら
主
しゅ
の
酒杯
さかづき
と
惡鬼
あくき
の
酒杯
さかづき
とを
兼󠄄
かね
飮
の
むこと
能
あた
はず。
主
しゅ
の
食󠄃卓
しょくたく
と
惡鬼
あくき
の
食󠄃卓
しょくたく
とに
兼󠄄
かね
與
あづか
ること
能
あた
はず。
22
われら
主
しゅ
の
妬
ねたみ
を
惹起󠄃
ひきおこ
さんとするか、
我
われ
らは
主
しゅ
よりも
强
つよ
き
者
もの
ならんや。
23
一切
すべて
のもの
可
よ
からざるなし、
然
さ
れど
一切
すべて
のもの
益
えき
あるにあらず、
一切
すべて
のもの
可
よ
からざるなし、
然
さ
れど
一切
すべて
のもの
德
とく
を
建
た
つるにあらず。
24
各人
おのおの
おのが
益
えき
を
求
もと
むることなく、
人
ひと
の
益
えき
を
求
もと
めよ。
25
すべて
市場
いちば
にて
賣
う
る
物
もの
は
良心
りゃうしん
のために
何
なに
をも
問
と
はずして
食󠄃
しょく
せよ。
26
そは
地
ち
と
之
これ
に
滿
み
つる
物
もの
とは
主
しゅ
の
物
もの
なればなり。
27
もし
不
ふ
信者
しんじゃ
に
招
まね
かれて
徃
ゆ
かんとせば、
凡
すべ
て
汝
なんぢ
らの
前󠄃
まへ
に
置
お
く
物
もの
を
良心
りゃうしん
のために
何
なに
をも
問
と
はずして
食󠄃
しょく
せよ。
347㌻
28
人
ひと
もし
此
これ
は
犧牲
いけにへ
にせし
肉
にく
なりと
言
い
はば
吿
つ
げし
者
もの
のため、また
良心
りゃうしん
のために
食󠄃
しょく
すな。
29
良心
りゃうしん
とは
汝
なんぢ
の
良心
りゃうしん
にあらず、かの
人
ひと
の
良心
りゃうしん
を
言
い
ふなり。
何
なん
ぞわが
自由
じいう
を
他
ほか
の
人
ひと
の
良心
りゃうしん
によりて
審
さば
かるる
事
こと
をせん。
30
もし
感謝
かんしゃ
して
食󠄃
しょく
する
事
こと
をせば、
何
なん
ぞわが
感謝
かんしゃ
する
所󠄃
ところ
のものに
就
つ
きて
譏
そし
らるる
事
こと
をせん。
31
さらば
食󠄃
くら
ふにも
飮
の
むにも
何事
なにごと
をなすにも、
凡
すべ
て
神
かみ
の
榮光
えいくわう
を
顯
あらは
すやうに
爲
せ
よ。
32
ユダヤ
人
びと
にもギリシヤ
人
びと
にも、また
神
かみ
の
敎會
けうくわい
にも
躓物
つまづき
となるな。
33
我
われ
も
凡
すべ
ての
事
こと
を、すべての
人
ひと
の
心
こゝろ
に
適󠄄
かな
ふやうに
力
つと
め、
人々
ひとびと
の
救
すく
はれんために、
己
おのれ
の
益
えき
を
求
もと
めずして
多
おほ
くの
人
ひと
の
益
えき
を
求
もと
むるなり。
第11章
1
我
わ
がキリストに
效
なら
ふ
者
もの
なる
如
ごと
く、なんぢら
我
われ
に
效
なら
ふ
者
もの
となれ。
2
汝
なんぢ
らは
凡
すべ
ての
事
こと
につきて
我
われ
を
憶
おぼ
え、
且
かつ
わが
傳
つた
へし
所󠄃
ところ
をそのまま
守
まも
るに
因
よ
りて、
我
われ
なんぢらを
譽
ほ
む。
3
されど
我
われ
なんぢらが
之
これ
を
知
し
らんことを
願
ねが
ふ。
凡
すべ
ての
男
をとこ
の
頭
かしら
はキリストなり、
女
をんな
の
頭
かしら
は
男
をとこ
なり、キリストの
頭
かしら
は
神
かみ
なり。
4
すべて
男
をとこ
は
祈
いのり
をなし
預言
よげん
をなすとき、
頭
かしら
に
物
もの
を
被
かぶ
るは、
其
そ
の
頭
かしら
を
辱
はづか
しむるなり。
5
すべて
女
をんな
は
祈
いのり
をなし
預言
よげん
をなすとき、
頭
かしら
に
物
もの
を
被
かぶ
らぬは、
其
そ
の
頭
かしら
を
辱
はづか
しむるなり。これ
薙髮
ていはつ
と
異
こと
なる
事
こと
なし。
6
女
をんな
もし
物
もの
を
被
かぶ
らずば、
髮
かみ
をも
剪
き
るべし。
然
さ
れど
髮
かみ
を
剪
き
り、
或
あるひ
は
薙
そ
ることを
女
をんな
の
恥
はぢ
とせば
物
もの
を
被
かぶ
るべし。
7
男
をとこ
は
神
かみ
の
像
かたち
、
神
かみ
の
榮光
えいくわう
なれば、
頭
かしら
に
物
もの
を
被
かぶ
るべきにあらず、
然
さ
れど
女
をんな
は
男
をとこ
の
光榮
くわうえい
なり。
8
男
をとこ
は
女
をんな
より
出
い
でずして、
女
をんな
は
男
をとこ
より
出
い
で、
9
男
をとこ
は
女
をんな
のために
造󠄃
つく
られずして、
女
をんな
は
男
をとこ
のために
造󠄃
つく
られたればなり。
10
この
故
ゆゑ
に
女
をんな
は
御使
みつかひ
たちの
故
ゆゑ
によりて
頭
かしら
に
權
けん
の
徽
しるし
を
戴
いたゞ
くべきなり。
〘252㌻〙
348㌻
11
されど
主
しゅ
に
在
あ
りては、
女
をんな
は
男
をとこ
に
由
よ
らざるなく、
男
をとこ
は
女
をんな
に
由
よ
らざるなし。
12
女
をんな
の
男
をとこ
より
出
い
でしごとく、
男
をとこ
は
女
をんな
によりて
出
い
づ。
而
しか
して
萬物
ばんもつ
はみな
神
かみ
より
出
い
づるなり。
13
汝
なんぢ
等
ら
みづから
判󠄄斷
はんだん
せよ、
女
をんな
の
物
もの
を
被
かぶ
らずして
神
かみ
に
祈
いの
るは
宣
よろ
しき
事
こと
なるか。
14
なんぢら
自然
しぜん
に
知
し
るにあらずや、
男
をとこ
もし
長
なが
き
髮
かみ
の
毛
け
あらば、
恥
は
づべきことにして、
15
女
をんな
もし
長
なが
き
髮
かみ
の
毛
け
あらば、その
光榮
くわうえい
なるを。それ
女
をんな
の
髮
かみ
の
毛
け
は、
被物
かぶりもの
として
賜
たま
はりたるなり。
16
假令
たとひ
これを
坑辯
あらが
ふ
者
もの
ありとも
斯
かく
のごとき
例
れい
は
我
われ
らにも
神
かみ
の
諸
しょ
敎會
けうくわい
にもある
事
こと
なし。
17
我
われ
これらの
事
こと
を
命
めい
じて
汝
なんぢ
らを
譽
ほ
めず。
汝
なんぢ
らの
集
あつま
ること、
益
えき
を
受
う
けずして
損
そん
を
招
まね
けばなり。
18
先
ま
づ
汝
なんぢ
らが
敎會
けうくわい
に
集
あつま
るとき
分󠄃爭
あらそひ
ありと
聞
き
く、われ
略
ほ
ぼこれを
信
しん
ず。
19
それは
汝
なんぢ
等
ら
のうちに
是
ぜ
とせらるべき
者
もの
の
現
あらは
れんために《[*]》
黨派
たうは
も
必
かなら
ず
起󠄃
おこ
るべければなり。[*或は「異端」と譯す。]
20
なんぢら
一處
ひとつところ
に
集
あつま
るとき
主
しゅ
の
晩餐󠄃
ばんさん
を
食󠄃
しょく
すること
能
あた
はず。
21
食󠄃
しょく
する
時
とき
、おのおの
人
ひと
に
先
さき
だちて
己
おのれ
の
晩餐󠄃
ばんさん
を
食󠄃
しょく
するにより、
饑
う
うる
者
もの
あり、
醉
ゑひ
飽󠄄
あ
ける
者
もの
あればなり。
22
汝
なんぢ
ら
飮食󠄃
のみくひ
すべき
家
いへ
なきか、
神
かみ
の
敎會
けうくわい
を
輕
かろ
んじ、また
乏
とも
しき
者
もの
を
辱
はづか
しめんとするか、
我
われ
なにを
言
い
ふべきか、
汝
なんぢ
らを
譽
ほ
むべきか、
之
これ
に
就
つ
きては
譽
ほ
めぬなり。
23
わが
汝
なんぢ
らに
傳
つた
へしことは
主
しゅ
より
授
さづ
けられたるなり。
即
すなは
ち
主
しゅ
イエス
付
わた
され
給
たま
ふ
夜
よ
、パンを
取
と
り、
24
祝
しく
して
之
これ
を
擘
さ
き、
而
しか
して
言
い
ひ
給
たま
ふ『これは
汝
なんぢ
等
ら
のための
我
わ
が
體
からだ
なり。
我
わ
が
記念
きねん
として
之
これ
を
行
おこな
へ』
25
夕餐󠄃
ゆふげ
ののち
酒杯
さかづき
をも
前󠄃
さき
の
如
ごと
くして
言
い
ひたまふ『この
酒杯
さかづき
は
我
わ
が
血
ち
によれる
新
あたら
しき
契約
けいやく
なり。
飮
の
むごとに
我
わ
が
記念
きねん
として
之
これ
をおこなへ』
26
汝
なんぢ
等
ら
このパンを
食󠄃
しょく
し、この
酒杯
さかづき
を
飮
の
むごとに、
主
しゅ
の
死
し
を
示
しめ
して
其
そ
の
來
きた
りたまふ
時
とき
にまで
及
およ
ぶなり。
27
然
さ
れば
宣
よろ
しきに
適󠄄
かな
はずして
主
しゅ
のパンを
食󠄃
しょく
し、
主
しゅ
の
酒杯
さかづき
を
飮
の
む
者
もの
は、
主
しゅ
の
體
からだ
と
血
ち
とを
犯
をか
すなり。
28
人
ひと
みづから
省
かへり
みて
後
のち
、そのパンを
食󠄃
しょく
し、その
酒杯
さかづき
を
飮
の
むべし。
349㌻
29
御體
みからだ
を
辨
わきま
へずして
飮食󠄃
のみくひ
する
者
もの
は、その
飮食󠄃
のみくひ
によりて
自
みづか
ら
審判󠄄
さばき
を
招
まね
くべければなり。
30
この
故
ゆゑ
に
汝
なんぢ
等
ら
のうちに
弱󠄃
よわ
きもの、
病
や
めるもの
多
おほ
くあり、また
眠
ねむり
に
就
つ
きたる
者
もの
も
少
すくな
からず。
31
我等
われら
もし
自
みづか
ら
己
おのれ
を
辨
わきま
へなば
審
さば
かるる
事
こと
なからん。
32
されど
審
さば
かるる
事
こと
のあるは、
我
われ
らを
世
よ
の
人
ひと
とともに
罪
つみ
に
定
さだ
めじとて
主
しゅ
の
懲
こら
しめ
給
たま
ふなり。
33
この
故
ゆゑ
に、わが
兄弟
きゃうだい
よ、
食󠄃
しょく
せんとて
集
あつま
るときは
互
たがひ
に
待
ま
ち
合
あは
せよ。
34
もし
飢󠄄
う
うる
者
もの
あらば、
汝
なんぢ
らの
集會
あつまり
の
審判󠄄
さばき
を
招
まね
くこと
無
な
からん
爲
ため
に
己
おの
が
家
いへ
にて
食󠄃
しょく
すべし。
〘253㌻〙
35
その
他
ほか
のことは
我
われ
いたらん
時
とき
これを
定
さだ
めん。
第12章
1
兄弟
きゃうだい
よ、
靈
れい
の
賜物
たまもの
に
就
つ
きては、
我
われ
なんぢらが
知
し
らぬを
好
この
まず。
2
なんぢら
異邦人
いはうじん
なりしとき、
誘
いざな
はるるままに
物
もの
を
言
い
はぬ
偶像
ぐうざう
のもとに
導󠄃
みちび
き
徃
ゆ
かれしは、
汝
なんぢ
らの
知
し
る
所󠄃
ところ
なり。
3
然
さ
れば
我
われ
なんぢらに
示
しめ
さん、
神
かみ
の
御靈
みたま
に
感
かん
じて
語
かた
る
者
もの
は、
誰
たれ
も『イエスは
詛
のろ
はるべき
者
もの
なり』と
言
い
はず、また
聖󠄄
せい
靈
れい
に
感
かん
ぜざれば、
誰
たれ
も『イエスは
主
しゅ
なり』と
言
い
ふ
能
あた
はず。
4
賜物
たまもの
は
殊
こと
なれども、
御靈
みたま
は
同
おな
じ。
5
務
つとめ
は
殊
こと
なれども、
主
しゅ
は
同
おな
じ。
6
活動
はたらき
は
殊
こと
なれども、
凡
すべ
ての
人
ひと
のうちに
凡
すべ
ての
活動
はたらき
を
爲
な
したまふ
神
かみ
は
同
おな
じ。
7
御靈
みたま
の
顯現
あらはれ
をおのおのに
賜
たま
ひたるは、
益
えき
を
得
え
させんためなり。
8
或
ある
人
ひと
は
御靈
みたま
によりて
智慧󠄄
ちゑ
の
言
ことば
を
賜
たま
はり、
或
ある
人
ひと
は
同
おな
じ
御靈
みたま
によりて
知識
ちしき
の
言
ことば
、
9
或
ある
人
ひと
は
同
おな
じ
御靈
みたま
によりて
信仰
しんかう
、ある
人
ひと
は
一
ひと
つ
御靈
みたま
によりて
病
やまひ
を
醫
いや
す
賜物
たまもの
、
10
或
ある
人
ひと
は
異能
ちから
ある
業
わざ
、ある
人
ひと
は
預言
よげん
、ある
人
ひと
は
靈
れい
を
辨
わきま
へ、
或
ある
人
ひと
は
異言
いげん
を
言
い
ひ、
或
ある
人
ひと
は
異言
いげん
を
釋
と
く
能力
ちから
を
賜
たま
はる。
11
凡
すべ
て
此
これ
等
ら
のことは
同
おな
じ
一
ひと
つの
御靈
みたま
の
活動
はたらき
にして、
御靈
みたま
その
心
こゝろ
に
隨
したが
ひて
各人
おのおの
に
分󠄃
わけ
與
あた
へたまふなり。
350㌻
12
體
からだ
は
一
ひと
つにして
肢
えだ
は
多
おほ
し、
體
からだ
の
肢
えだ
は
多
おほ
くとも
一
ひと
つの
體
からだ
なるが
如
ごと
く、キリストも
亦
また
然
しか
り。
13
我
われ
らはユダヤ
人
びと
・ギリシヤ
人
びと
・
奴隷
どれい
・
自主
じしゅ
の
別
わかち
なく、
一體
いったい
とならん
爲
ため
に、みな
一
ひと
つ
御靈
みたま
にてバプテスマを
受
う
けたり。
而
しか
してみな
一
ひと
つ
御靈
みたま
を
飮
の
めり。
14
體
からだ
は
一
ひとつ
肢
えだ
より
成
な
らず、
多
おほ
くの
肢
えだ
より
成
な
るなり。
15
足
あし
もし『
我
われ
は
手
て
にあらぬ
故
ゆゑ
に
體
からだ
に
屬
ぞく
せず』と
云
い
ふとも、
之
これ
によりて
體
からだ
に
屬
ぞく
せぬにあらず。
16
耳
みゝ
もし『それは
眼
め
にあらぬ
故
ゆゑ
に
體
からだ
に
屬
ぞく
せず』と
云
い
ふとも、
之
これ
によりて
體
からだ
に
屬
ぞく
せぬにあらず。
17
もし
全󠄃身
ぜんしん
眼
め
ならば、
聽
き
くところ
何
いづ
れか。もし
全󠄃身
ぜんしん
聽
き
く
所󠄃
ところ
ならば、
臭
か
ぐところ
何
いづ
れか。
18
げに
神
かみ
は
御意󠄃
みこゝろ
のままに、
肢
えだ
をおのおの
體
からだ
に
置
お
き
給
たま
へり。
19
若
も
しみな
一
ひとつ
肢
えだ
ならば、
體
からだ
は
何
いづ
れか。
20
げに
肢
えだ
は
多
おほ
くあれど、
體
からだ
は
一
ひと
つなり。
21
眼
め
は
手
て
に
對
むか
ひて『われ
汝
なんぢ
を
要󠄃
えう
せず』と
言
い
ひ、
頭
かしら
は
足
あし
に
對
むか
ひて『われ
汝
なんぢ
を
要󠄃
えう
せず』と
言
い
ふこと
能
あた
はず。
22
否
いな
、からだの
中
うち
にて
最
もっと
も
弱󠄃
よわき
しと
見
み
ゆる
肢
えだ
は、
反
かへ
つて
必要󠄃
ひつえう
なり。
23
體
からだ
のうちにて
尊󠄅
たふと
からずと
思
おも
はるる
所󠄃
ところ
に、
物
もの
を
纒
まと
ひて
殊
こと
に
之
これ
を
尊󠄅
たふと
ぶ。
斯
か
く
我
われ
らの
美
うるわ
しからぬ
所󠄃
ところ
は、
一層
ひときは
すぐれて
美
うるわ
しくすれども、
24
美
うるわ
しき
所󠄃
ところ
には、
物
もの
を
纒
まと
ふの
要󠄃
えう
なし。
神
かみ
は
劣
おと
れる
所󠄃
ところ
に
殊
こと
に
尊󠄅榮
たふとき
を
加
くは
へて
人
ひと
の
體
からだ
を
調和
てうわ
したまへり。
25
これ
體
からだ
のうちに
分󠄃爭
あらそひ
なく、
肢々
えだえだ
一致
いっち
して、
互
たがひ
に
相
あひ
顧󠄃
かへり
みんためなり。
〘254㌻〙
26
もし
一
ひと
つの
肢
えだ
苦
くる
しまば、もろもろの
肢
えだ
ともに
苦
くる
しみ、
一
ひと
つの
肢
えだ
尊󠄅
たふと
ばれなば、もろもろの
肢
えだ
ともに
喜
よろこ
ぶなり。
27
乃
すなは
ち
汝
なんぢ
らはキリストの
體
からだ
にして
各自
おのおの
その
肢
えだ
なり。
28
神
かみ
は
第一
だいいち
に
使徒
しと
、
第二
だいに
に
預言者
よげんしゃ
、
第三
だいさん
に
敎師
けうし
、その
次
つぎ
に
異能
ちから
ある
業
わざ
、
次
つぎ
に
病
やまひ
を
醫
いや
す
賜物
たまもの
、
補助
たすけ
をなす
者
もの
、
治
をさ
むる
者
もの
、
異言
いげん
などを
敎會
けうくわい
に
置
お
きたまへり。
29
是
これ
みな
使徒
しと
ならんや、みな
預言者
よげんしゃ
ならんや、みな
敎師
けうし
ならんや、みな
異能
ちから
ある
業
わざ
を
行
おこな
ふ
者
もの
ならんや。
351㌻
30
みな
病
やまひ
を
醫
いや
す
賜物
たまもの
を
有
も
てる
者
もの
ならんや、みな
異言
いげん
を
語
かた
る
者
もの
ならんや、みな
異言
いげん
を
釋
と
く
者
もの
ならんや。
31
なんぢら
優
すぐ
れたる
賜物
たまもの
を
慕
した
へ、
而
しか
して
我
われ
さらに
善
よ
き
道󠄃
みち
を
示
しめ
さん。
第13章
1
たとひ
我
われ
もろもろの
國人
くにびと
の
言
ことば
および
御使
みつかひ
の
言
ことば
を
語
かた
るとも、
愛
あい
なくば
鳴
な
る
鐘
かね
や
響
ひび
く
鐃鈸
ねうはち
の
如
ごと
し。
2
假令
たとひ
われ
預言
よげん
する
能力
ちから
あり、
又󠄂
また
すべての
奧義
おくぎ
と
凡
すべ
ての
知識
ちしき
とに
達󠄃
たっ
し、また
山
やま
を
移
うつ
すほどの
大
おほい
なる
信仰
しんかう
ありとも、
愛
あい
なくば
數
かぞ
ふるに足らず。
3
たとひ
我
われ
わが
財產
ざいさん
をことごとく
施
ほどこ
し、
又󠄂
また
わが
體
からだ
を
燒
や
かるる
爲
ため
に
付
わた
すとも、
愛
あい
なくば
我
われ
に
益
えき
なし。
4
愛
あい
は
寛容
くわんよう
にして
慈悲
じひ
あり。
愛
あい
は
妬
ねたみ
まず、
愛
あい
は
誇
ほこ
らず、
驕
たかぶ
らず、
5
非禮
ひれい
を
行
おこな
はず、
己
おのれ
の
利
り
を
求
もと
めず、
憤
いきど
ほらず、
人
ひと
の
惡
あく
を
念
おも
はず、
6
不義
ふぎ
を
喜
よろこ
ばずして、
眞理
まこと
の
喜
よろこ
ぶところを
喜
よろこ
び、
7
凡
おほよ
そ
事
こと
忍󠄄
しの
び、おほよそ
事
こと
信
しん
じ、おほよそ
事
こと
望󠄇
のぞ
み、おほよそ
事
こと
耐
た
ふるなり。
8
愛
あい
は
長久
いつ
までも
絕
た
ゆることなし。
然
さ
れど
預言
よげん
は
廢
すた
れ、
異言
いげん
は
止
や
み、
知識
ちしき
もまた
廢
すた
らん。
9
それ
我
われ
らの
知
し
るところ
全󠄃
まった
からず、
我
われ
らの
預言
よげん
も
全󠄃
まった
からず。
10
全󠄃
まった
き
者
もの
の
來
きた
らん
時
とき
は
全󠄃
まった
からぬもの
廢
すた
らん。
11
われ
童子
わらべ
の
時
とき
は
語
かた
ることも
童子
わらべ
のごとく、
思
おも
ふことも
童子
わらべ
の
如
ごと
く、
論
ろん
ずる
事
こと
も
童子
わらべ
の
如
ごと
くなりしが、
人
ひと
と
成
な
りては
童子
わらべ
のことを
棄
す
てたり。
12
今
いま
われらは
鏡
かゞみ
をもて
見
み
るごとく
見
み
るところ
朧
おぼろ
なり。
然
さ
れど、かの
時
とき
には
顏
かほ
を
對
あは
せて
相
あひ
見
み
ん。
今
いま
わが
知
し
るところ
全󠄃
まった
からず、
然
さ
れど、かの
時
とき
には
我
わ
が
知
し
られたる
如
ごと
く
全󠄃
まった
く
知
し
るべし。
13
げに
信仰
しんかう
と
希望󠄇
のぞみ
と
愛
あい
と
此
こ
の
三
み
つの
者
もの
は
限
かぎ
りなく
存
のこ
らん、
而
しか
して
其
そ
のうち
最
もっと
も
大
おほい
なるは
愛
あい
なり。
第14章
1
愛
あい
を
追󠄃
お
ひ
求
もと
めよ、また
靈
れい
の
賜物
たまもの
、ことに
預言
よげん
する
能力
ちから
を
慕
した
へ。
2
異言
いげん
を
語
かた
る
者
もの
は
人
ひと
に
語
かた
るにあらずして
神
かみ
に
語
かた
るなり。そは
靈
れい
にて
奧義
おくぎ
を
語
かた
るとも、
誰
たれ
も
悟
さと
る
者
もの
なければなり。
352㌻
3
されど
預言
よげん
する
者
もの
は
人
ひと
に
語
かた
りて
其
そ
の
德
とく
を
建
た
て、
勸
すゝめ
をなし、
慰安
なぐさめ
を
與
あた
ふるなり。
4
異言
いげん
を
語
かた
る
者
もの
は
己
おのれ
の
德
とく
を
建
た
て、
預言
よげん
する
者
もの
は
敎會
けうくわい
の
德
とく
を
建
た
つ。
〘255㌻〙
5
われ
汝
なんぢ
等
ら
がみな
異言
いげん
を
語
かた
らんことを
欲
ほっ
すれど、
殊
こと
に
欲
ほっ
するは
預言
よげん
せん
事
こと
なり。
異言
いげん
を
語
かた
る
者
もの
、もし
釋
と
きて
敎會
けうくわい
の
德
とく
を
建
た
つるにあらずば、
預言
よげん
する
者
もの
のかた
勝󠄃
まさ
るなり。
6
然
さ
らば
兄弟
きゃうだい
よ、
我
われ
もし
汝
なんぢ
らに
到
いた
りて
異言
いげん
をかたり、
或
あるひ
は
默示
もくし
、あるいは
知識
ちしき
、あるいは
預言
よげん
、あるいは
敎
をしへ
をもて
語
かた
らずば、
何
なに
の
益
えき
かあらん。
7
生命
いのち
なくして
聲
こゑ
を
出
いだ
すもの、
或
あるひ
は
笛
ふえ
、あるいは
立琴
たてごと
、その
音󠄃
おと
もし
差別
わかち
なくば、
爭
いか
で
吹
ふ
くところ、
彈
ひ
くところの
何
なに
たるを
知
し
らん。
8
ラッパ
若
も
し
定
さだま
りなき
音󠄃
おと
を
出
いだ
さば、
誰
たれ
か
戰鬪
たゝかひ
の
備
そなへ
をなさん。
9
斯
かく
のごとく
汝
なんぢ
らも
舌
した
をもて
明
あきら
かなる
言
ことば
を
出
いだ
さずば、
爭
いか
で
語
かた
るところの
何
なに
たるを
知
し
らん、これ
汝
なんぢ
等
ら
ただ
空󠄃氣
くうき
に
語
かた
るのみ。
10
世
よ
には
國語
くにことば
の
類
たぐひ
おほかれど、
一
ひと
つとして
意󠄃義
いぎ
あらぬはなし。
11
我
われ
もし
國語
くにことば
の
意󠄃義
いぎ
を
知
し
らずば、
語
かた
る
者
もの
に
對
たい
して
夷人
えびす
となり、
語
かた
る
者
もの
も
我
われ
に
對
たい
して
夷人
えびす
とならん。
12
然
さ
らば
汝
なんぢ
らも
靈
れい
の
賜物
たまもの
を
慕
した
ふ
者
もの
なれば、
敎會
けうくわい
の
德
とく
を
建
た
つる
目的
めあて
にて
賜物
たまもの
の
豐
ゆたか
ならん
事
こと
を
求
もと
めよ。
13
この
故
ゆゑ
に
異言
いげん
を
語
かた
る
者
もの
は
自
みづか
ら
釋
と
き
得
え
んことをも
祈
いの
るべし。
14
我
われ
もし
異言
いげん
をもて
祈
いの
らば、
我
わ
が
靈
れい
は
祈
いの
るなれど、
我
わ
が
心
こゝろ
は
果
み
を
結
むす
ばず。
15
然
さ
らば
如何
いか
にすべきか、
我
われ
は
靈
れい
をもて
祈
いの
り、また
心
こゝろ
をもて
祈
いの
らん。
我
われ
は
靈
れい
をもて
謳
うた
ひ、また
心
こゝろ
をもて
謳
うた
はん。
16
汝
なんぢ
もし
然
しか
せずば
靈
れい
をもて
祝
しく
するとき、
凡人
ただびと
は
汝
なんぢ
の
語
かた
ることを
知
し
らねば、その
感謝
かんしゃ
に
對
たい
し
如何
いか
にしてアァメンと
言
い
はんや。
17
なんぢの
感謝
かんしゃ
はよし、
然
さ
れど、その
人
ひと
の
德
とく
を
建
た
つることなし。
18
我
われ
なんぢら
衆
すべて
の
者
もの
よりも
多
おほ
く
異言
いげん
を
語
かた
ることを
神
かみ
に
感謝
かんしゃ
す。
19
然
さ
れど
我
われ
は
敎會
けうくわい
にて
異言
いげん
をもて
一萬
いちまん
言
げん
を
語
かた
るよりも、
寧
むし
ろ
人
ひと
を
敎
をし
へんために
我
わ
が
心
こゝろ
をもて
五言
いつことば
を
語
かた
らんことを
欲
ほっ
するなり。
353㌻
20
兄弟
きゃうだい
よ、
智慧󠄄
ちゑ
に
於
おい
ては
子供
こども
となるな、
惡
あく
に
於
おい
ては
幼兒
をさなご
となり、
智慧󠄄
ちゑ
に
於
おい
ては
成人
おとな
となれ。
21
律法
おきて
に
錄
しる
して『
主
しゅ
、
宣給
のたま
はく、
他
あだ
し
言
ことば
の
民
たみ
により、
他
あだ
し
國人
くにびと
の
口唇
くちびる
をもて
此
こ
の
民
たみ
に
語
かた
らん、
然
さ
れど
尙
なほ
かれらは
我
われ
に
聽
き
かじ』とあり。
22
されば
異言
いげん
は、
信者
しんじゃ
の
爲
ため
ならで
不
ふ
信者
しんじゃ
のための
徴
しるし
なり。
預言
よげん
は、
不
ふ
信者
しんじゃ
の
爲
ため
ならで
信者
しんじゃ
のためなり。
23
もし
全󠄃
ぜん
敎會
けうくわい
一處
ひとつところ
に
集
あつま
れる
時
とき
、みな
異言
いげん
にて
語
かた
らば、
凡人
ただびと
または
不
ふ
信者
しんじゃ
いり
來
きた
らんに、
汝
なんぢ
らを
狂
くる
へる
者
もの
と
言
い
はざらんや。
24
然
さ
れど
若
も
しみな
預言
よげん
せば、
不
ふ
信者
しんじゃ
または
凡人
ただびと
の
入
い
りきたるとき、
會衆
くわいしゅう
のために
自
みづか
ら
責
せ
められ、
會衆
くわいしゅう
のために
是非
ぜひ
せられ、
25
その
心
こゝろ
の
祕密
ひみつ
あらはるる
故
ゆゑ
に
伏
ふ
して
神
かみ
を
拜
はい
し『
神
かみ
は
實
じつ
に
汝
なんぢ
らの
中
うち
に
在
いま
す』と
言
い
はん。
〘256㌻〙
26
兄弟
きゃうだい
よ、さらば
如何
いか
にすべきか、
汝
なんぢ
らの
集
あつま
る
時
とき
はおのおの
聖󠄄歌
せいか
あり、
敎
をしへ
あり、
默示
もくし
あり、
異言
いげん
あり、
釋
と
く
能力
ちから
あり、みな
德
とく
を
建
た
てん
爲
ため
にすべし。
27
もし
異言
いげん
を
語
かた
る
者
もの
あらば、
二人
ふたり
、
多
おほ
くとも
三人
さんにん
、
順次
じゅんじ
に
語
かた
りて
一人
ひとり
これを
釋
と
くべし。
28
もし
釋
と
く
者
もの
なき
時
とき
は
敎會
けうくわい
にては
默
もく
し、
而
しか
して
己
おのれ
に
語
かた
り、また
神
かみ
に
語
かた
るべし。
29
預言者
よげんしゃ
は
二人
ふたり
もしくは
三人
さんにん
かたり、その
他
ほか
の
者
もの
はこれを
辨
わきま
ふべし。
30
もし
坐
ざ
しをる、
他
ほか
のもの
默示
もくし
を
蒙
かうむ
らば、
先
さき
のもの
默
もく
すべし。
31
汝
なんぢ
らは
皆
みな
すべての
人
ひと
に
學
まな
ばせ、
勸
すゝめ
を
受
う
けしめんために
一人
ひとり
一人
ひとり
、
預言
よげん
することを
得
う
べければなり。
32
また
預言者
よげんしゃ
の
靈
れい
は
預言者
よげんしゃ
に
制
せい
せらる。
33
それ
神
かみ
は
亂
みだれ
の
神
かみ
にあらず、
平󠄃和
へいわ
の
神
かみ
なり。
34
聖󠄄徒
せいと
の
諸
しょ
敎會
けうくわい
のするごとく、
女
をんな
は
敎會
けうくわい
にて
默
もく
すべし。
彼
かれ
らは
語
かた
ることを
許
ゆる
されず、
律法
おきて
に
云
い
へるごとく
順
したが
ふべき
者
もの
なり。
354㌻
35
何事
なにごと
か
學
まな
ばんとする
事
こと
あらば、
家
いへ
にて
己
おの
が
夫
をっと
に
問
と
ふべし、
女
をんな
の
敎會
けうくわい
にて
語
かた
るは
恥
は
づべき
事
こと
なればなり。
36
神
かみ
の
言
ことば
は
汝
なんぢ
等
ら
より
出
い
でしか、また
汝
なんぢ
等
ら
にのみ
來
きた
りしか。
37
人
ひと
もし
自己
みづから
を
預言者
よげんしゃ
とし、
或
あるひ
は
御靈
みたま
に
感
かん
じたる
者
もの
と
思
おも
はば、わが
汝
なんぢ
らに
書
か
きおくる
言
ことば
を
主
しゅ
の
命
めい
なりと
知
し
れ。
38
もし
知
し
らずば
其
そ
の
知
し
らざるに
任
まか
せよ。
39
されば
我
わ
が
兄弟
きゃうだい
よ、
預言
よげん
することを
慕
した
ひ、また
異言
いげん
を
語
かた
ることを
禁
きん
ずな。
40
凡
すべ
ての
事
こと
、
宣
よろ
しきに
適󠄄
かな
ひ、かつ
秩序
ちつじょ
を
守
まも
りて
行
おこな
へ。
第15章
1
兄弟
きゃうだい
よ、
曩
さき
にわが
傳
つた
へし
福音󠄃
ふくいん
を
更
さら
に
復
また
なんぢらに
示
しめ
す。
汝
なんぢ
らは
之
これ
を
受
う
け、
之
これ
に
賴
よ
りて
立
た
ちたり。
2
なんぢら
徒
いたづ
らに
信
しん
ぜずして
我
わ
が
傳
つた
へしままを
堅
かた
く
守
まも
らば、この
福音󠄃
ふくいん
に
由
よ
りて
救
すく
はれん。
3
わが
第一
だいいち
に
汝
なんぢ
らに
傳
つた
へしは、
我
わ
が
受
う
けし
所󠄃
ところ
にして、キリスト
聖󠄄書
せいしょ
に
應
おう
じて
我
われ
らの
罪
つみ
のために
死
し
に、
4
また
葬
はうむ
られ、
聖󠄄書
せいしょ
に
應
おう
じて
三日
みっか
めに
甦
よみが
へり、
5
ケパに
現
あらは
れ、
後
のち
に
十二
じふに
弟子
でし
に
現
あらは
れ
給
たま
ひし
事
こと
なり。
6
次
つぎ
に
五
ご
百
ひゃく
人
にん
以上
いじゃう
の
兄弟
きゃうだい
に
同時
どうじ
にあらはれ
給
たま
へり。その
中
うち
には
旣
すで
に
眠
ねむ
りたる
者
もの
もあれど、
多
おほ
くは
今
いま
なほ
世
よ
にあり。
7
次
つぎ
にヤコブに
現
あらは
れ、
次
つぎ
にすべての
使徒
しと
に
現
あらは
れ、
8
最終󠄃
いやはて
には
月
つき
足
た
らぬ
者
もの
のごとき
我
われ
にも
現
あらは
れ
給
たま
へり。
9
我
われ
は
神
かみ
の
敎會
けうくわい
を
迫󠄃害󠄅
はくがい
したれば、
使徒
しと
と
稱
とな
へらるるに
足
た
らぬ
者
もの
にて
使徒
しと
のうち
最
いと
小
ちひさ
き
者
もの
なり。
10
然
しか
るに
我
わ
が
今
いま
の
如
ごと
くなるは、
神
かみ
の
恩惠
めぐみ
に
由
よ
るなり。
斯
かく
てその
賜
たま
はりし
御惠
みめぐみ
は
空󠄃
むな
しくならずして、
凡
すべ
ての
使徒
しと
よりも
我
われ
は
多
おほ
く
働
はたら
けり。これ
我
われ
にあらず、
我
われ
と
偕
とも
にある
神
かみ
の
恩惠
めぐみ
なり。
355㌻
11
されば
我
われ
にもせよ、
彼
かれ
等
ら
にもせよ、
宣傳
のべつた
ふる
所󠄃
ところ
は
斯
かく
の
如
ごと
くにして、
汝
なんぢ
らは
斯
かく
のごとく
信
しん
じたるなり。
〘257㌻〙
12
キリストは
死人
しにん
の
中
うち
より
甦
よみが
へり
給
たま
へりと
宣傳
のべつた
ふるに、
汝
なんぢ
等
ら
のうちに、
死人
しにん
の
復活
よみがへり
なしと
云
い
ふ
者
もの
のあるは
何
なに
ぞや。
13
もし
死人
しにん
の
復活
よみがへり
なくば、キリストもまた
甦
よみが
へり
給
たま
はざりしならん。
14
もしキリスト
甦
よみが
へり
給
たま
はざりしならば、
我
われ
らの
宣敎
せんけう
も
空󠄃
むな
しく、
汝
なんぢ
らの
信仰
しんかう
もまた
空󠄃
むな
しからん、
15
かつ
我
われ
らは
神
かみ
の
僞證
ぎしょう
人
にん
と
認󠄃
みと
められん。
我
われ
ら
神
かみ
はキリストを
甦
よみが
へらせ
給
たま
へりと
證
あかし
したればなり。もし
死人
しにん
の
甦
よみが
へることなくば、
神
かみ
はキリストを
甦
よみが
へらせ
給
たま
はざりしならん。
16
もし
死人
しにん
の
甦
よみが
へる
事
こと
なくば、キリストも
甦
よみが
へり
給
たま
はざりしならん。
17
若
も
しキリスト
甦
よみが
へり
給
たま
はざりしならば、
汝
なんぢ
らの
信仰
しんかう
は
空󠄃
むな
しく、
汝
なんぢ
等
ら
なほ
罪
つみ
に
居
を
らん。
18
然
さ
ればキリストに
在
あ
りて
眠
ねむ
りたる
者
もの
も
亡
ほろ
びしならん。
19
我等
われら
この
世
よ
にあり、キリストに
賴
よ
りて
空󠄃
むな
しき
望󠄇
のぞみ
を
懷
いだ
くに
過󠄃
す
ぎずば、
我
われ
らは
凡
すべ
ての
人
ひと
の
中
うち
にて
最
もっと
も
憫
あはれ
むべき
者
もの
なり。
20
然
さ
れど
正
まさ
しくキリストは
死人
しにん
の
中
うち
より
甦
よみが
へり、
眠
ねむ
りたる
者
もの
の
初穗
はつほ
となり
給
たま
へり。
21
それ
人
ひと
によりて
死
し
の
來
きた
りし
如
ごと
く、
死人
しにん
の
復活
よみがへり
もまた
人
ひと
に
由
よ
りて
來
きた
れり。
22
凡
すべ
ての
人
ひと
、アダムに
由
よ
りて
死
し
ぬるごとく、
凡
すべ
ての
人
ひと
、キリストに
由
よ
りて
生
い
くべし。
23
而
しか
して
各人
おのおの
その
順序
じゅんじょ
に
隨
したが
ふ。まづ
初穗
はつほ
なるキリスト、
次
つぎ
はその
來
きた
り
給
たま
ふときキリストに
屬
ぞく
する
者
もの
なり。
24
次
つぎ
には
終󠄃
をはり
きたらん、その
時
とき
キリストは、もろもろの
權能
けんのう
・
權威
けんゐ
・
權力
けんりょく
を
亡
ほろぼ
して、
國
くに
を
父󠄃
ちち
なる
神
かみ
に
付
わた
し
給
たま
ふべし。
25
彼
かれ
は
凡
すべ
ての
敵
てき
をその
足
あし
の
下
した
に
置
お
き
給
たま
ふまで、
王
わう
たらざるを
得
え
ざるなり。
26
最後
いやはて
の
敵
てき
なる
死
し
もまた
亡
ほろぼ
されん。
27
『
神
かみ
は
萬
よろづ
の
物
もの
を
彼
かれ
の
足
あし
の
下
した
に
服󠄃
したが
はせ
給
たま
ひ』たればなり。
萬
よろづ
の
物
もの
を
彼
かれ
に
服󠄃
したが
はせたりと
宣
のたま
ふときは、
萬
よろづ
の
物
もの
を
服󠄃
したが
はせ
給
たま
ひし
者
もの
のその
中
うち
になきこと
明
あきら
かなり。
28
萬
よろづ
の
物
もの
かれに
服󠄃
したが
ふときは、
子
こ
も
亦
また
みづから
萬
よろづ
の
物
もの
を
己
おのれ
に
服󠄃
したが
はせ
給
たま
ひし
者
もの
に
服󠄃
したが
はん。これ
神
かみ
は
萬
よろづ
の
物
もの
に
於
おい
て
萬
よろづ
の
事
こと
となり
給
たま
はん
爲
ため
なり。
356㌻
29
もし
復活
よみがへり
なくば、
死人
しにん
の
爲
ため
にバプテスマを
受
う
くるもの
何
なに
をなすか、
死人
しにん
の
甦
よみが
へること
全󠄃
まった
くなくば、
死人
しにん
のためにバプテスマを
受
う
くるは
何
なに
の
爲
ため
ぞ。
30
また
我
われ
らが
何時
いつ
も
危險
あやふき
を
冐
をか
すは
何
なに
の
爲
ため
ぞ。
31
兄弟
きゃうだい
よ、われらの
主
しゅ
イエス・キリストに
在
あ
りて、
汝
なんぢ
等
ら
につき
我
わ
が
有
も
てる
誇
ほこり
によりて
誓
ちか
ひ、
我
われ
は
日々
ひゞ
に
死
し
すと
言
い
ふ。
32
我
わ
がエペソにて
獸
けもの
と
鬪
たゝか
ひしこと、
若
も
し
人
ひと
のごとき
思
おもひ
にて
爲
な
ししならば、
何
なに
の
益
えき
あらんや。
死人
しにん
もし
甦
よみが
へる
事
こと
なくば『
我等
われら
いざ
飮食󠄃
のみくひ
せん、
明日
あす
死
し
ぬべければなり』
〘258㌻〙
33
なんぢら
欺
あざむ
かるな、
惡
あ
しき
交際
まじはり
は
善
よ
き
風儀
ならはし
を
害󠄅
そこな
ふなり。
34
なんぢら
醒
さ
めて
正
ただ
しうせよ、
罪
つみ
を
犯
をか
すな。
汝
なんぢ
等
ら
のうちに
神
かみ
を
知
し
らぬ
者
もの
あり、
我
わ
が
斯
か
く
言
い
ふは
汝
なんぢ
らを
辱
はづか
しめんとてなり。
35
然
さ
れど
人
ひと
あるひは
言
い
はん、
死人
しにん
いかにして
甦
よみが
へるべきか、
如何
いか
なる
體
たい
をもて
來
きた
るべきかと。
36
愚
おろか
なる
者
もの
よ、なんぢの
播
ま
く
所󠄃
ところ
のもの
先
ま
づ
死
し
なずば
生
い
きず。
37
又󠄂
また
その
播
ま
く
所󠄃
ところ
のものは
後
のち
に
成
な
るべき
體
たい
を
播
ま
くにあらず、
麥
むぎ
にても、
他
ほか
の
穀
こく
にても、ただ
種粒
たねつぶ
のみ。
38
然
しか
るに
神
かみ
は
御意󠄃
みこゝろ
に
隨
したが
ひて
之
これ
に
體
たい
を
予
あた
へ、おのおのの
種
たね
にその
體
たい
を
予
あた
へたまふ。
39
凡
すべ
ての
肉
にく
、おなじ
肉
にく
にあらず、
人
ひと
の
肉
にく
あり、
獸
けもの
の
肉
にく
あり、
鳥
とり
の
肉
にく
あり、
魚
うを
の
肉
にく
あり。
40
天上
てんじゃう
の
體
たい
あり、
地上
ちじゃう
の
體
たい
あり、されど
天上
てんじゃう
の
物
もの
の
光榮
くわうえい
は
地上
ちじゃう
の
物
もの
と
異
こと
なり。
41
日
ひ
の
光榮
くわうえい
あり、
月
つき
の
光榮
くわうえい
あり、
星
ほし
の
光榮
くわうえい
あり、
此
こ
の
星
ほし
は
彼
か
の
星
ほし
と
光榮
くわうえい
を
異
こと
にす。
42
死人
しにん
の
復活
よみがへり
もまた
斯
かく
のごとし。
朽
く
つる
物
もの
にて
播
ま
かれ、
朽
く
ちぬものに
甦
よみが
へらせられ、
43
卑
いや
しき
物
もの
にて
播
ま
かれ、
光榮
くわうえい
あるものに
甦
よみが
へらせられ、
弱󠄃
よわ
きものにて
播
ま
かれ、
强
つよ
きものに
甦
よみが
へらせられ、
44
血氣
けっき
の
體
たい
にて
播
ま
かれ、
靈
れい
の
體
たい
に
甦
よみが
へらせられん。
血氣
けっき
の
體
たい
ある
如
ごと
く、また
靈
れい
の
體
たい
あり。
45
錄
しる
して、
始
はじめ
の
人
ひと
アダムは、
活
い
ける
者
もの
となれるとあるが
如
ごと
し。
而
しか
して
終󠄃
をはり
のアダムは、
生命
いのち
を
與
あた
ふる
靈
れい
となれり。
357㌻
46
靈
れい
のものは
前󠄃
さき
にあらず、
反
かへ
つて
血氣
けっき
のもの
前󠄃
さき
にありて
靈
れい
のもの
後
のち
にあり。
47
第一
だいいち
の
人
ひと
は
地
ち
より
出
い
でて
土
つち
に
屬
ぞく
し、
第二
だいに
の
人
ひと
は
天
てん
より
出
い
でたる
者
もの
なり。
48
この
土
つち
に
屬
ぞく
する
者
もの
に、すべて
土
つち
に
屬
ぞく
する
者
もの
は
似
に
、この
天
てん
に
屬
ぞく
する
者
もの
に、すべて
天
てん
に
屬
ぞく
する
者
もの
は
似
に
るなり。
49
我
われ
ら
土
つち
に
屬
ぞく
する
者
もの
の
形
かたち
を
有
も
てるごとく、
天
てん
に
屬
ぞく
する
者
もの
の
形
かたち
をも
有
も
つべし。
50
兄弟
きゃうだい
よ、われ
之
これ
を
言
い
はん、
血肉
けつにく
は
神
かみ
の
國
くに
を
嗣
つ
ぐこと
能
あた
はず、
朽
く
つるものは
朽
く
ちぬものを
嗣
つ
ぐことなし。
51
視
み
よ、われ
汝
なんぢ
らに
奧義
おくぎ
を
吿
つ
げん、
我
われ
らは
悉
ことご
とく
眠
ねむ
るにはあらず、
52
終󠄃
をはり
のラッパの
鳴
な
らん
時
とき
みな
忽
たちま
ち
瞬間
またゝくま
に
化
くわ
せん。ラッパ
鳴
な
りて
死人
しにん
は
朽
く
ちぬ
者
もの
に
甦
よみが
へり、
我
われ
らは
化
くわ
するなり。
53
そは
此
こ
の
朽
く
つる
者
もの
は
朽
く
ちぬものを
著
き
、この
死
し
ぬる
者
もの
は
死
し
なぬものを
著
き
るべければなり。
54
此
こ
の
朽
く
つるものは
朽
く
ちぬものを
著
き
、この
死
し
ぬる
者
もの
は
死
し
なぬものを
著
き
んとき『
死
し
は
勝󠄃
かち
に
呑
の
まれたり』と
錄
しる
されたる
言
ことば
は
成就
じゃうじゅ
すべし。
55
『
死
し
よ、なんぢの
勝󠄃
かち
は
何處
いづこ
にかある。
死
し
よ、なんぢの
刺
はり
は
何處
いづこ
にかある』
56
死
し
の
刺
はり
は
罪
つみ
なり、
罪
つみ
の
力
ちから
は
律法
おきて
なり。
57
されど
感謝
かんしゃ
すべきかな、
神
かみ
は
我
われ
らの
主
しゅ
イエス・キリストによりて
勝󠄃
かち
を
與
あた
へたまふ。
〘259㌻〙
58
然
さ
れば
我
わ
が
愛
あい
する
兄弟
きゃうだい
よ、
確
かた
くして
搖
うご
くことなく、
常
つね
に
勵
はげ
みて
主
しゅ
の
事
わざ
を
務
つと
めよ、
汝
なんぢ
等
ら
その
勞
らう
の、
主
しゅ
にありて
空󠄃
むな
しからぬを
知
し
ればなり。
第16章
1
聖󠄄徒
せいと
たちの
爲
ため
にする
寄附
きふ
の
事
こと
に
就
つ
きては、
汝
なんぢ
らも
我
わ
がガラテヤの
諸
しょ
敎會
けうくわい
に
命
めい
ぜしごとく
爲
せ
よ。
2
一週󠄃
ひとまはり
の
首
はじめ
の
日
ひ
ごとに、
各人
おのおの
その
得
う
る
所󠄃
ところ
にしたがひて
己
おの
が
家
いへ
に
貯
たくは
へ
置
お
け、これ
我
わ
が
到
いた
らんとき
始
はじ
めて
寄附
きふ
を
集
あつ
むる
事
こと
なからん
爲
ため
なり。
3
われ
到
いた
らば、
汝
なんぢ
らが
選󠄄
えら
ぶところの
人々
ひとびと
に
添書
そへぶみ
をあたへ、
汝
なんぢ
らの
惠
めぐ
む
物
もの
をエルサレムに
携
たづさ
へ
徃
ゆ
かしめん。
358㌻
4
もし
我
われ
も
徃
ゆ
くべきならば、
彼
かれ
らは
我
われ
と
共
とも
に
徃
ゆ
くべし。
5
我
われ
マケドニヤを
通󠄃
とほ
らんとすれば、マケドニヤを
過󠄃
す
ぎて
後
のち
に、
汝
なんぢ
らの
許
もと
にゆかん。
6
斯
かく
て
汝
なんぢ
らの
中
うち
に
留
とゞま
りゐて
或
あるひ
は
冬
ふゆ
を
過󠄃
すご
すこともあらん、
是
これ
わが
何處
いづこ
に
徃
ゆ
くも
汝
なんぢ
らに
送󠄃
おく
られん
爲
ため
なり。
7
我
われ
は
今
いま
なんぢらを
途󠄃
みち
の
次
ついで
に
見
み
ることを
欲
ほっ
せず、
主
しゅ
ゆるし
給
たま
はば、
暫
しばら
く
汝
なんぢ
らと
偕
とも
に
留
とゞま
らんことを
望󠄇
のぞ
む。
8
われ
五旬節
ごじゅんせつ
まではエペソに
留
とゞま
らんとす。
9
そは
活動
はたらき
のために
大
おほい
なる
門
もん
、わが
前󠄃
まへ
にひらけ、また
逆󠄃
さから
ふ
者
もの
も
多
おほ
ければなり。
10
テモテもし
到
いた
らば
愼
つゝし
みて
汝
なんぢ
等
ら
のうちに
懼
おそれ
なく
居
を
らしめよ、
彼
かれ
は
我
われ
と
同
おな
じく
主
しゅ
の
業
わざ
を
務
つと
むる
者
もの
なり。
11
されば
誰
たれ
も
之
これ
を
卑
いやし
むることなく、
安
やす
らかに
送󠄃
おく
りて
我
わ
が
許
もと
に
來
きた
らしめよ、
我
われ
かれが
兄弟
きゃうだい
たちと
共
とも
に
來
きた
るを
待
ま
てるなり。
12
兄弟
きゃうだい
アポロに
就
つ
きては
我
われ
かれに
兄弟
きゃうだい
たちと
共
とも
に
汝
なんぢ
らに
到
いた
らんことを
懇
ねんご
ろに
勸
すゝ
めたりしが、
今
いま
は
徃
ゆ
くことを
更
さら
に
欲
ほっ
せず、
然
さ
れど
好
よ
き
機
をり
を
得
え
ば
徃
ゆ
くべし。
13
目
め
を
覺
さま
し、
堅
かた
く
信仰
しんかう
に
立
た
ち、
雄々
をゝ
しく、かつ
剛
つよ
かれ。
14
一切
すべて
のこと
愛
あい
をもて
行
おこな
へ。
15
兄弟
きゃうだい
よ、ステパナの
家
いへ
はアカヤの
初穗
はつほ
にして、
彼
かれ
らが
身
み
を
委
ゆだ
ねて
聖󠄄徒
せいと
に
事
つか
へたることは、
汝
なんぢ
らの
知
し
る
所󠄃
ところ
なり。
16
われ
汝
なんぢ
らに
勸
すゝ
む、
斯
かく
のごとき
人々
ひとびと
また
凡
すべ
て
之
これ
とともに
働
はたら
きて
勞
らう
する
者
もの
に
服󠄃
ふく
せよ。
17
我
われ
ステパナとポルトナトとアカイコとの
來
きた
るを
喜
よろこ
ぶ。かれらは
汝
なんぢ
らの
居
を
らぬを
補
おぎな
ひたればなり。
18
彼
かれ
らは
我
わ
が
心
こゝろ
と
汝
なんぢ
らの
心
こゝろ
とを
安
やす
んじたり、
斯
かく
のごとき
者
もの
を
認󠄃
みと
めよ。
359㌻
19
アジヤの
諸
しょ
敎會
けうくわい
なんぢらに
安否
あんぴ
を
問
と
ふ。アクラとプリスカ
及
およ
びその
家
いへ
の
敎會
けうくわい
、
主
しゅ
に
在
あ
りて
懇
ねんご
ろに
汝
なんぢ
らに
安否
あんぴ
を
問
と
ふ。
20
すべての
兄弟
きゃうだい
なんぢらに
安否
あんぴ
を
問
と
ふ。なんぢら
潔󠄄
きよ
き
接吻
くちつけ
をもて
互
たがひ
に
安否
あんぴ
を
問
と
へ。
21
我
われ
パウロ
自筆
じひつ
をもて
汝
なんぢ
らに
安否
あんぴ
を
問
と
ふ。
22
もし
人
ひと
、
主
しゅ
を
愛
あい
せずば
詛
のろ
はるべし、
我
われ
らの
主
しゅ
きたり
給
たま
ふ。
〘260㌻〙
23
願
ねがは
くは
主
しゅ
イエスの
恩惠
めぐみ
、なんぢらと
偕
とも
にあらんことを。
24
わが
愛
あい
はキリスト・イエスに
在
あ
りて
汝
なんぢ
等
ら
すべての
者
もの
とともに
在
あ
るなり。
〘261㌻〙
360㌻